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ファイナリストを目指すU-17W杯、MF平川怜「自分が一番だと思われるプレーを」

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U-17W杯へ向けた意気込みを語ったMF平川怜(FC東京U-18)

 高校1年生だった昨季からFC東京U-18で主軸を担い、昨年10月末にFC東京U-23の一員としてJ3デビューも飾った。ユース出身の“最高傑作”との呼び声も高いMF平川怜にとって2017年は勝負の年。2つのカテゴリーで試合出場を重ね、着実に階段を上る一方、U-17W杯での躍進を胸に誓う。

 00年生まれ世代の代表チームでは発足以来、欠かさず代表に呼ばれ、U-17日本代表の森山佳郎監督が「チームの心臓」と信頼を寄せる中心選手。次世代を担う天才ボランチがFC東京での現在地、U-17W杯への野心を語った。成長著しい17歳はW杯で世界を驚かせるかもしれない。

U-23の強度に慣れ
通用するプレーは増えている


――昨季はFC東京U-23チームで武藤嘉紀選手(マインツ)が付けていた14番を背負いました。
「背番号は気にしていなかったのですが、周りの人から期待されることはすごくうれしいです。ただ、その期待に応えられているかというとまだそうじゃないと思う。これからトップチームに上がって、結果で証明していきたいです」

――昨季からFC東京U-18とU-23チーム、両方のカテゴリーで試合に出場していますが、それぞれ今季の目標は?
「ユースでは3冠を目指しています。去年は先輩に助けてもらう部分が大きかったのですが、今年のクラブユース選手権では自分が中心になってプレーをして、チームを引っ張っていく立場になってきたのかなと思います。J3では『中心選手になる』という目標を立てていたけど、まだまだ……。達成できていないです」

――上のカテゴリーでプレーすることで成長スピードは上がっていますか?
「昨年に比べてボールに関わる機会は増えています。U-23で強度の高いゲームを経験することで、成長速度は上がっていると思います。ユースとの一番の違いはフィジカルの強さ。J3の強度にも少しずつ慣れて、パワーもついてきました。筋トレをして当たり負けしない体をつくろうとしていて、力強さという部分では成長できていると感じますし、J3デビューしたばかりの頃より通用するプレーが増えている気はします。ただ、まだまだフィジカルで勝てるようにはなっていないので質を上げていくことが今後の課題です」

――自分の強み、見てほしいプレーを教えてください。
「まずはテクニックと、その技術を生かしたゲームコントロール。あとはドリブル突破にも注目して見てほしいです。パスからゴールを生み出せるのも自分の特長だと思うので今後も続けていきたいですが、もちろん自分がゴールをしたときの喜びも大きいです」

――現在のプレースタイルはどのように形成されたんですか?
「4歳のときにスクール体験に行ってサッカーが好きになりました。そこからずっとサッカー一筋です。水泳も少しやったのですが、サッカーが楽しくて水泳はすぐにやめました。小学生の頃はまだ今のようなスタイルではなく、試合では自陣からドリブルで運んでゴールまで、自分1人ですべてをこなすタイプでした。ボランチは中学1年生から。FC東京U-15むさしはパスをつなぐポゼッションサッカーだったので、中学時代から徐々に今のスタイルになってきたのかなと思います」

――理想とする選手やプレーは?
「プレーが自分に近いかは分かりませんが、好きな選手はイニエスタ選手(バルセロナ)。あのテクニックは真似できたらいいなと思います。『点を取れるボランチ』が理想です。まだその姿には近づけていないですが、もっとゴールやアシストで結果を残していきたい。中盤でボールを奪うとか、高いレベルで守備もできないとこの先トップには残っていけないと思います。攻守どちらも高いレベルでプレーできる選手になっていきたいです」

――ボランチ以外のポジションでプレーすることもあります。
「チームではボランチ以外でプレーする機会は少ないですが、代表ではサイドやトップ下でプレーすることもあります。求められる役割が違ってくるので、監督が求めていることを意識しながらプレーしています。自分はサイドよりも中にいたほうが活きると思っているので、真ん中で勝負していきたいです」


日本代表に残らないと「意味がない」
世代別代表からのサバイバル


――U-14から各年代すべての代表に入ってきた平川選手にとって、日の丸を背負うことにはどんな意義がありますか。
「アンダー世代の代表に選ばれるのはすごく光栄なことです。でも、最終的に日本代表までいかないと、こうやって育ててもらっている意味がないと思います。最後まで残ってこの先は日本代表で戦いたい気持ちが強い。日本代表のほうが何倍も重圧があると思いますが、そこまでたどり着きたいと思っている場所です」

――昨年のAFC U-16選手権は準決勝でイラクに敗れ、アジア制覇は叶いませんでした。
「イラク戦は内容があまり良くなくて、結果は完敗。このままじゃだめだという危機感を感じました。自分のプレーが全然出せなかったですし、チームとしても実力不足でした。チームを勝たせることができなかったし、個人的にももっと個の力で相手に勝ることが必要だと痛感しました」

――新潟国際ユースでメキシコ、バツラフ・イェジェク国際ユーストーナメント (チェコ)でアメリカを撃破しました。強豪を破ったことは世界と戦える自信になりましたか?
「メキシコは世界のトップレベルですが、その試合で自分自身はドリブルで前にどんどん運んでいく、自分がやりたいプレーを出すことができました。個人としてそういう手応えのあるシーンが何回かありましたし、チームも確実に成長できていると思います。8月のチェコ遠征も優勝することができて、チームとしてまとまりが出てきました。この代表チームが立ち上がって2年半が経つので、お互いの特徴をよく把握していますし、連係面に不安はないです。チーム全体に『絶対に勝てる』という自信があります」

――森山監督が目指すのはどんなサッカーなのか、ご自身の言葉で教えてください。
「ほかの世代と比べても攻撃力があると思います。前に特長を持った選手が多くいるので、どんどんゴールを狙っていけるチーム。森山監督は『自分の特長を出せ』という方針で、一人ひとりがピッチ上で自分の特長を出して躍動するサッカーです。対戦相手によって戦い方を変えることはないと思います。個々が自分の良さを発揮してチームが機能すればいいところまで勝ち進める。代表チームは明るい雰囲気で、チームワーク抜群です」

――U-17日本代表で自分のやるべき仕事を改めて教えてください。
「攻撃も守備も自分が中心になって試合をつくって、チームを勝たせること。一番はボールを保持して自分たちの時間を多くつくることです。その意味では自分の仕事が重要になってくると思います」

――同じクラブでプレーする久保建英選手とのホットラインにも期待が集まります。
「久保選手のパスのタイミングやプレーの特長は同じチームでプレーしている分、自分が一番よく分かっています。お互いの良さを引き出し合いながらプレーできると思う。久保選手はU-20W杯を経験したり、J1でプレーしたり、間違いなく自分より経験が豊富なので、そういう意味では自分も負けないようにしたいですし、お互いがより高いレベルで競い合えるようにしていきたいです」

――20歳で迎える3年後の東京五輪も目指す場所の一つですか。
「東京五輪にはFC東京の選手が出場しないといけないと思います。FC東京の選手として絶対にピッチに立てるようにそこを目指していきたいです。今のままでは上の世代の人には追いつけないので、成長速度をどんどん上げて、追い抜けるようにしたいです」

――この先は海外でプレーすることも視野にありますか?
「将来は海外に挑戦したいという夢があります。FC東京の選手や若い世代からもたくさんの選手が海外に挑戦しているので、自分もできるだけ若いうちに挑戦したい。リーグでいうと、ポゼッション率が高いのはスペインだと思うので、リーガで柴崎岳選手のような活躍を見せたいです。そういうことを考えたら、W杯はサッカー人生を変えるチャンスなので、世界の舞台で自分の力を見せつけたいです」

――最後に、U-17W杯ではどんな戦いをイメージしていますか?意気込みを聞かせてください。
「チーム全体として掲げている目標はファイナリストになること。最後まで試合ができたらいい経験になると思うので、一試合でも多くの試合ができるように勝ち残りたい。まずは初戦が大事。初戦から100パーセントの力を出せるようにコンディションを上げていきます。一人ひとりが持ち味を発揮して、強豪国が相手でもビビらず、自分たちから食らいついていくような試合をしたいです。個人としてはゴールやアシストで結果を残したいという気持ちもありますし、マッチアップする相手には絶対に負けないようにしたい。世界を相手に目立ったパフォーマンスを見せられるように、自分が間違いなくチームで一番だと思われるようなプレーをしたいと思っています」

(取材・文 佐藤亜希子)

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