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[MOM2233]広島県FW鮎川峻(広島ユース、1年)_スプリント連発の快足FW、3試合連続決勝ゴール!

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後半12分、広島県FW鮎川峻(左)が決勝ゴール。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.4 国体少年男子準決勝 広島県 1-0 青森県 新居浜市営サッカー場1G]

 一体、何本のスプリントを繰り返したのだろう。広島県のFW鮎川峻(広島ユース、1年)は試合序盤から幾度も相手DF間やサイドのスペースを狙って動き出し、そのボールを収めて攻撃の起点を作り出していた。

 警戒した青森県DFに身体をぶつけられ、スピードを消されるシーンもあったが、彼のスプリントが前後半通して広島県の攻撃のスイッチに。また、前線からの守備で相手ボールを引っ掛けて、前進するシーンもあった。前半からかなり多くのランニングをしていただけに、後半はさすがに運動量が落ちるかと思いきや、彼は最後まで走り抜いた。

 決して、体力自慢の選手ではないのだという。広島ユースでも指導する岩成智和監督は、それを認識した上で「もう一皮剥ければ、まだ面白くなる」と鮎川を起用し続け、彼の成長が加速することを期待している。

 その鮎川は「きょうが一番キツかったです。体力とか自信ある方ではないんですけど、使ってもらって非常に嬉しいですし、成長できるかなと思っています」。そしてこの日、彼は初戦から3試合連続となる決勝ゴールも決めた。

 後半12分、広島県はFW大堀亮之介(広島ユース、2年)がヘディングで跳ね返したボールを拾った鮎川が前方のFW棚田颯(広島ユース、1年)へパス。一気にドリブルで局面を破った棚田がゴールエリアまで持ち込むと、パスを出した後にゴール前まで詰めていた鮎川へパスが通り、右足シュートがゴールネットを揺らした。

「(棚田が)ドリブルで行ったんで、付いて行こうと思って。『横!』って声出しながら走ったらパスが来たので走って良かったです」と鮎川。中盤やDFの選手たちが必死に走ってくれている中で自分がゴールでそれに応えたいと思っていた。そして今大会4得点目となるゴール。チームメートの厚いサポートに支えられながら、献身的なランニングと攻撃力でチームを引っ張っているFWは、得点ランキング首位で決勝戦を迎えることになった。

 鮎川は決勝戦へ向けて、「あまり最初意識していなかったんですけど、得点ランキングで高い位置にいてここまで来たので、得点王狙って、勝利に貢献して、優勝と得点王両方取っていきたい。苦しい時に自分が決めて、チーム全員で喜びたい。最後まで苦しいと思うんですけど、ひたむきに走り続けてチームに貢献したいと思います」と誓った。決勝戦でもチームのために走り続けて、日本一と得点王を獲得する。

(取材・文 吉田太郎)
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