beacon

[国体少年男子]エース欠場の中、初先発の中学生MF藤原が存在感放つも…青森県は初の決勝進出ならず

このエントリーをはてなブックマークに追加

青森県の中学生MF藤原優大が豪快なヘッド。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[10.4 国体少年男子準決勝 広島県 1-0 青森県 新居浜市営サッカー場1G]

 1点を追う後半アディショナルタイム、青森県はラストプレーの左CKをMF武田英寿(青森山田高1年)が蹴り込むと、唯一の中学生、MF藤原優大(青森山田中3年)が高校生たちに競り勝って頭で合わせる。だが、シュートはGK正面。直後に試合終了の笛が鳴り響いた。

「自信があったので、自分にボールが来たら絶対に決めると思ったんですけど、コースに打てるようにならないといけない。相手が粘り強くて、キツイ中でも決めれるようになりたい」と藤原。「ヘディング、技術は自信あって一つ上二つ上に入ってもやれる自信はあります」というMFはこの日、ボランチの位置で豪快なヘディングを連発し、セットプレーでのその高さで相手ゴールを脅かした。また、正確なタッチのパスで攻撃を組み立てていたが、チャンスがありながらも無得点に終わり、課題の守備面についても反省の弁が口をついた。

 青森県はこの日、MF神田悠成(青森山田高1年)が累積警告のために出場停止。加えて前日の準々決勝で接触し、軽い脳震盪の疑いがあったエースMF浦川流輝亜(青森山田高1年)は出場を見送った。

 その中で初先発となった藤原ら選手たちはそれぞれが持てる力を発揮。前半から迫力あるプレッシングを見せていたチームは1点を追う後半、CB橋本峻弥主将(青森山田高2年)やMF鳥海昴(青森山田高2年)、CB坂田恭彬(青森山田高2年)の早生まれ選手たちを中心に決定機を作られてもゴール前で粘り、ボールを奪えばがむしゃらに相手ゴールを目指し続けた。だが、後半34分に橋本が放ったヘディングシュートがGKの手をかすめてポストを叩くなど最後まで1点を奪えず。0-1で敗れた選手たちは涙を流して悔しがった。

 青森県初の4強入りを果たした選手たちは、東北勢にとって初となる優勝を目指したが、その夢は叶わず。それでも、指揮を執った太田美千之監督(黒石商高)は「怯んで臆すること無く、勇気を持って戦ったと思います」と選手たちを讃えた。敗れたものの、3位決定戦を残す青森県は一つでも上の順位で大会を終える考え。指揮官は「笑って青森に帰られるようにしたい」と語り、藤原は「(準決勝の)後悔はないので、明日勝って笑って帰れるように今日以上に準備をしていきたいと思います」と誓った。歴史を変えたイレブンは3位決定戦で勝って、笑顔で青森に戻る。

(取材・文 吉田太郎)
●第72回国民体育大会「愛顔つなぐえひめ国体」特集

TOP