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[MOM2234]神奈川県FW宮城天(川崎F U-18、1年)_点取り屋へ変貌中の注目FW。個人技で会場沸かせ、決勝ヘッド!

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神奈川県のエースストライカー、FW宮城天は決勝ゴールを決めた。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.4 国体少年男子準決勝 神奈川県 1-0 大阪府 新居浜市営サッカー場1G]

 注目アタッカーから、武器を持った点取り屋、そしてエースへ。意識して変貌しようとしているFWが、決勝ゴールを決めて神奈川県を国体ファイナルへと導いた。

 0-0の前半35分、神奈川県はMF山本理仁(東京Vユース、1年)の右CKをファーサイドでフリーのFW宮城天(川崎F U-18、1年)が頭でゴールネットを揺らす。「いつもはちょっと早めに跳んで軸をしっかりして、空中で止まるようにしています」という宮城は他よりも1テンポ早い跳躍で完璧に空中姿勢を作って、完璧なヘッド。やや大阪府に流れが傾きかけていた時間帯でエースストライカーがチームに1点をもたらした。

 ゴールはさすがだったが、際立ったのはその非常にしなやかなドリブルだ。「今、日本の1トップは大迫選手みたいに収められる選手。自分はそれもできつつ、メッシやネイマールのように翻弄できる選手になりたいです」という宮城はアジリティーの高さも合わせて華麗かつ高速のドリブルを連発。スペースでボールを受けると一瞬でスピードに乗る宮城に相手DFは飛び込むことができずに引っ張られ、そのテクニックを駆使した突破、意表を突くパスには観客席から「上手い!」という声が上がっていた。

 今大会、対戦相手にとって脅威になり続けているFWはシュートへの意識が変わったのだという。「今までずっとシュートの意識が低くて、切り返して、切り返してシュート打てなかったりした。これからはどんどん厳しくなってくるのでどこからでもシュートを打とうと思いますし、チャンスで打っていかないとFWではないと思っている」。もちろん、守備面でも貢献すること。そして、一番大事な場面でゴールを決める存在になるつもりでいる。

 宮城の目の前には目標となる強力なFWがいる。それはU-17日本代表の先輩FW宮代大聖(川崎F U-18、2年)だ。「一緒に練習していて色々な部分が違うなと思いますし、自分はまだ(U-17代表のレベルに)達していないと思います」。宮代のフィジカル面、世界を経験し続けて身につけているプレッシャーへの慣れ、落ち着きに差を感じている。まだ達していないが、同じステージに立つためには動き出しの部分など現在の課題を改善して、結果を残すことが必要だと考えている。

 今回の国体は終盤に向かうにつれて調子、身体のキレが上向き。決勝でゴールを量産して首位と2得点差の得点王を獲得することも十分に可能だ。それを実現して、神奈川県を優勝へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
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