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[MOM470]大阪学院大GK田中大貴(4年)_“チームで一番熱い”頼れる守護神、後期初勝利に貢献!

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好守連発で無失点勝利に貢献したGK田中大貴(4年=香川西高)

[10.1 第95回関西学生L後期第3節 大阪学院大1-0京都産業大 J-GREEN堺]

 タイムアップの瞬間、GK田中大貴(4年=香川西高)はグラウンドにしゃがみ込み、小さくガッツポーズして勝利をかみ締めた。大阪学院大が3節目にしてようやくあげた後期初勝利は、守護神の活躍なくしては得られないものだった。

 これまで2戦の反省を生かし、勢いを持って臨んだ前半は、積極的なボール奪取から主導権を握ってゲームを進め、前半32分に阿部勇輝(3年=G大阪ユース)のパスを長谷川覚之(4年=神戸弘陵学園高)が頭で決めて先制。だが、後半は攻撃に転じようとしたところでミスが出て京産大にボールを奪われ、足も止まって押し込まれる場面が続いた。

 「前に出られなかったので、最後の15分は真ん中を5枚にして徹底して守った。そういう形も練習していたが、持ちこたえられるかどうかというのはあった」と藤原義三監督が講じた手立てを勝利に結びつけたのはキャプテンマークを巻き、最後尾から徹底して声をかけ続けた田中の存在だった。

 前節の関西大戦では0-4と大敗。チームの再起を期す一戦に、藤原監督は「思い切って変えた」とCBにケガの癒えた生駒稀生(2年=鹿児島城西高)と今季リーグ初スタメンとなる内藤拓実(4年=大分U-18)を起用。「全員でやりきろう」と意思統一した選手たちに、「とにかく声をかけていかないと、集中が切れてしまうので、自分の声でつなげようと思った」と田中が細かく最後尾から指示を出し、ビッグセーブを連発して京産大の波状攻撃をしのぎきった。

 「関大戦ではクロスで人に付けなくて失点している。今日はこれまで出られていない選手も多かったので、みんなに状況をしっかり伝えよう」という前節の反省を無失点勝利に結びつけた。

 藤原監督から「責任感が強く、チームで一番熱い。フィールドでしっかり怒れる選手」とキャプテンマークを託された田中。後期に入ってからのチームを「これまで人任せの選手が多く、4回生でもそういうヤツがいたので、そこは自分が直接話して意識を変えていった」と冷静に分析し、自らアクションを起こしていった。試合後はその助言に応えた仲間たちとつかんだ勝利を「今日は4回生が多く出場していたので、心強かった」と笑顔で喜んだ。

 サッカーを続けたいが、大学卒業後の進路については現在のところは未定。近年、大型化が進むGKというポジションにおいては、体格的に恵まれているわけではない。しかし、シュートストップやリーダーシップという自らの武器を磨き、大学でも1回生からゴールを守り続けてきた。関西学生リーグで良いパフォーマンスを見せて、チームを上位に押し上げていくことで、自らの進路も拓かれていくに違いない。

(取材・文 蟹江恭代)
●第95回関西学生1部L特集

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