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[MOM2236]神奈川県FW宮城天(川崎F U-18、1年)_延長後半に見せた加速力。注目FWが優勝ゴール!

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延長後半6分、神奈川県FW宮城天が決勝ゴール。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.5 国体少年男子決勝戦 広島県 0-1(延長) 神奈川県 西条市ひうち陸上競技場]

 17年国体の優勝を決めるゴールを、神奈川県のエースFW宮城天(川崎F U-18、1年)が決めた。決勝戦は0-0のまま延長戦へ突入。その後半6分、神奈川県は左SB岩井龍翔司(横浜FMユース、1年)が相手3バックの間へロングボールを入れる。

 これを「足は残っていたというほどではなかったんですけれども、相手よりもあると思っていたし、裏に出せと言っていた」という宮城が対応したDFと競りながら僅かに相手の前に出る。一気に振り切ろうとした宮城をPAで食い止めようとした広島県DFのタックルがファウルの判定。自らPKスポットに立った背番号11が右足を豪快に振り抜くと、ボールは中央へ突き刺さり、1-0となった。

「真ん中蹴ったら自分でも凄い良いかなと思ったし、自分でも入ると思った」という宮城の一撃で神奈川県が先制。PK獲得のシーンについては平塚次郎監督(湘南)も「ボタンがあるんじゃないかというくらいにスピードアップして、相手もびっくりしたと思う」と評していたが、4連戦の4試合目、それも延長戦後半にスプリントを発揮し、相手の前に出た宮城のビッグプレーだった。
 
 エースとしての自覚。今大会は得意のドリブルで異彩を放ち、正確な1タッチプレーで攻撃の起点となった。そして準決勝、決勝で決勝ゴール。「自分が得点して引っ張っていかないといけないと思っていましたし、自分がやらないと勝てないと思っていたので最後走りきれたと思います。最後は足下とかよりも気持ちとか、走りきるというところで貢献してそこで何かが生まれると思っていた。PKを取れて、決勝点決めて、自分としては満足です」。川崎Fの未来を担う注目FWは一つ、自身の殻を破る大会となったと感じたようだ。

 自身初の日本一。選抜チームの仲間と戦い、頂点を勝ち取った経験はまた大きな財産になる。「全国優勝というのが無かった。優勝した時はガラじゃないですけれども、涙出そうでしたね。(神奈川のメンバーの)ほとんどのみんなが小学生くらいから知っていて、そこで優勝できたので感無量です」。今後は川崎F U-18に戻ってまた成長を目指す。「これから自分に満足せずにやっていきたいです」というFWが国体で得た自信を胸に進化を加速させる。

(取材・文 吉田太郎)
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