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[国体少年男子]広島県は連覇逃すも2年連続ファイナル進出。大堀主将「やり続けてきたスタイルをこれからも」

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広島県は連覇こそ逃したものの、2年連続でファイナル進出し、準優勝。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[10.5 国体少年男子決勝戦 広島県 0-1(延長)神奈川県 西条市ひうち陸上競技場]

 延長戦の末、0-1で敗れて連覇を逃した広島県だが、岩成智和監督(広島ユース)は「よう、走りました。全力で、ひたむきに、やり続ける。復興してきた広島のスタイルを出せたのは、僕は嬉しいです」と4連戦、そして最後は延長戦まで走り続けた選手たちを讃えていた。

 決勝戦では前半の入りが悪く、プレッシャーに行ききれない部分があった。だが、修正された後半、連動した守備で神奈川県のパスワークのリズムを崩すと、中盤でセカンドボールを拾い続けて連続攻撃を繰り出し、決定機も作り出した。

 10分にはMF大堀亮之介(広島ユース、2年)のスルーパスでFW鮎川峻(広島ユース、1年)が抜け出し、決定的な右足シュート。さらに18分にはMF西川歩(広島ユース、1年)のアイディアあるラストパスからMF棚田颯(広島ユース、1年)が右中間を抜け出してシュートへと持ち込む。

 その後も、前日の準決勝で足指の爪を負傷しながら獅子奮迅の働きを見せる大堀が中心となって神奈川県ゴールを攻め立てた。だが、「自分が決定機外して申し訳ない気持ちでいっぱいです。最後まで走ろうと思ってやっていたんですけれど、決めれるところで決めないとやられる」と大堀が悔しがったように、1点を奪えなかった広島県は延長戦後半にPKを献上。先制されたあとも諦めずに攻め続けたが、0-1で敗れた。

 ただし、大堀は「やり切りました」と口にし、PKを与えたDFに対しても「最後まで走っていたからPKになった。走っていなかったら決められていたし、PKになったのはしょうがない」と責めることは全く無かった。そして、来年の後輩たちへ向けて「自分たちのやり続けてきたスタイルをこれからも続けてほしい」。広島スタイルを継承して、また勝ち上がってくれることを期待した。

 岩成監督は「広島の歴史をつくってくれている」と2年連続ファイナル進出を果たし、歴史を変えたイレブン、彼らを育ててくれた4種(小学生年代)から2種(高校生年代)までの指導者たちにも感謝していた。好選手を輩出し続けること、結果を残し続けることは簡単ではない。だが、今回の選手たちが見せたように、これからもブレずに広島スタイルを貫くこと、見ている人を感動させるような試合を続けることは継続していく。

 県選抜での活動を終えた選手たちは所属チームでもそのことにこだわっていく。そして、大堀が「絶対に一度負けた相手には負けたくない」と話したように、どこにも負けない勝利への思いも持ち続けて、今度は自分たちのチームで、広島サッカーの歴史を塗り替える。
 
(取材・文 吉田太郎)
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