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[球蹴男児U-16リーグ]“進化するブルー軍団”大津が九州強豪18校によるU-16リーグ戦の頂点に!

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優勝を喜ぶ大津高イレブン

[10.7 球蹴男児U-16リーグ第16節 鹿児島実高 1-3 大津高 鹿屋体育大ラグビー場]

 九州地域のU-16の年代において長期に渡るリーグ戦を通して、選手の育成および指導者のレベルアップを図る「2017 球蹴男児U-16リーグ」は7日、第16節を行い、大津高(熊本)が出場18チームの頂点に立った。ここまで11勝3分1敗で首位の大津は、鹿児島実高(鹿児島)と対戦。FW東創也の2ゴールとMF濃野公人のゴールによって3-1で勝ち、1試合を残して優勝を決めた。大津は12月に開催予定の全国U16交流大会に出場する。

 前半、FW奈良脇玲央の鋭いターンによる突破やFW中原海夏の背後を狙う動きなどから攻める鹿児島実に対し、大津は視野の広さを感じさせるプレーを見せるMF佐藤悠平を中心としたスピーディーなパスワーク。サイドまでボールを運び、そこからのクロス、ラストパスで相手の守りにプレッシャーをかける。

 スコアが動いたのは前半24分だった。大津はインターセプトした勢いでショートカウンター。MF野口陸斗のスルーパスで右中間を抜け出した東が右足シュートを豪快に叩き込んで先制した。

 拮抗した展開から相手の僅かな隙を逃さずに得点した大津はさらに36分、右サイドを抜け出した東の折り返しを濃野が右足ダイレクトで決めて2-0と突き放す。その後も東が抜け出しからGKをかわすなど決定機を作り出す大津に対し、鹿児島実は前半終了間際の得点で巻き返す。

 アディショナルタイム突入後の50分、エネルギッシュな動きを見せていた奈良脇が左サイドからクロス。このこぼれ球をMF木藤優斗が右足でゴール右隅へ流し込んだ。この1点で勢いに乗った鹿児島実は後半立ち上がり、迫力のあるハイプレスで相手のミスを誘い、ボールをもぎ取ると、そこからパワフルな攻撃。奈良脇やMF宮崎魁璃がシュートへ持ち込むなど流れを引き寄せていた。

 だが、ゴール前でCB麻生恭平が高さを発揮したほか、集中した守りで跳ね返した大津は逆に20分、東がこの日2点目のゴールを決めて突き放す。食い下がる鹿児島実はGK吉崎涼太がPKを止めるなど粘ったが、2点目を奪うことができず。3-1で勝った大津が1試合を残して2位・筑陽学園高との勝ち点差4をキープし、優勝を決めた。

 この日、古閑健士監督に代わって大津の選手たちにアドバイスを送った木村優成コーチは「リーグ戦の長丁場をよく戦った結果だと思う。昨年も(プレ大会で)優勝していますし、2年連続で優勝できたことは光栄です」と選手たちを讃えた。

 10番を背負ったFW樋口堅大は「去年も優勝しているので、先輩からだったり、『優勝しろよ』みたいに言われていた。懸ける思いが強かったです」と微笑。宮崎県から大津へ進学し、Aチームにも絡んでいる樋口は毎日求められるレベル、質の高いトレーニングによって自信を持てるようになっているという。

「一美和成さんや野田裕喜さんが代表入って、G大阪に行っているのでそういう選手たちを目指したい。ドリブルで相手抜いてチームを助けられるようにしたい」と語った樋口ら各選手の目標は、現日本代表のDF植田直通(鹿島)やDF車屋紳太郎(川崎F)を輩出している大津で進化し、代表入りやプロ入りを果たすこと、そして「大津高校は全国制覇がまだできていないので、自分たちの代で全国制覇したい」(東)ということだ。

 九州の強豪集うリーグ戦で優勝。“進化するブルー軍団”大津の1年生たちはトレーニングでより技術、判断力を向上させ、日常によって人間性を高めて偉大なOBたちを越える。

(取材・文 吉田太郎)
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