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[MOM2244]幕張総合GK武子航大(3年)_「神ってた」守護神、仲間の声を力にPK戦で3本ストップ!

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PK戦6人目、幕張総合高GK武子航大が止めて決着

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.9 選手権千葉県予選決勝T2回戦 市立千葉高 1-1(PK3-4)幕張総合高 中央学院大つくし野G]

 PK戦の末に3回戦進出を決めた試合後、幕張総合高のGK武子航大(3年)は大興奮のチームメートたちから「本当にありがとう!」「神ってた!」と声を掛けられたという。本来、「そんなに得意ではない」PK戦で仲間たちの声援を励みに気持ちを込めて戦った守護神。気合十分の表情と声、ゴールマウスの前で凄みすらあった背番号1は、見事に3本のシュートを止めてチームを勝利へと導いた。

 武子は「ずっとGKコーチに色々アドバイスを受けていた。自分は得意ではなかったんですけれども、(今回のPK戦では)ずっとアドバイスを頭の中で繰り返していた」。ステップ、跳ぶタイミング、フェイントの掛け方……それらを一つひとつ思い返しながら相手キッカーと対峙したが、何より大きかったのは応援してくれた仲間たちの声。前日のPK練習では1本も止められなかったというGKは、声に後押しされ、気負いすぎずに挑んだ結果、3本のビッグセーブをしてのけた。

 PK戦では市立千葉高GK西雄太郎(3年)が先攻・幕張総合の1人目をストップ。だが、武子は相手の2人目を右へ跳んで完璧に止めると、続く3人目も左へ跳んで弾き出す。そして3-3で迎えた6人目、やや身体を沈めてから右へ跳んでストップした武子が両手を広げて走り出すと、ピッチサイドで応援していた控え部員を含めたチームメートが一斉に彼の下へ駆け寄り、大きな歓喜の輪ができた。

 幕張総合の河合英治監督は「GKのファイティングスピリットがこういう結果に導いてくれた」と感謝し、主将のMF戸村理人(3年)は「(武子は)きょう、凄かった」と讃えていた。武子は延長を含めた100分間は味方が相手を押し込む中で出番が少なかったが、カウンターの1本を止めきれずに失点。それでも切り替えて、後方からの声でチームを鼓舞し続けていた。

「自分では上手いとは思わないんですけれども、元気とか前向きなコーチングとかが自分の特長かなと思っています。(3回戦まで)しっかり2週間トレーニングして、自分たちの目標とするベスト4へ向けて毎日努力していきたい」という武子は、仲間たちの力で勝ち取った白星をこの後も積み重ねていくことを目指す。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2017

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