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[MOM2254]桐生一MF中野就斗(2年)_Bチームの仲間に与えた勇気と刺激。公式戦初先発で同点ヘッド!

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後半16分、同点ヘッドを決めた桐生一高MF中野就斗(中央)が祝福に応える

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.21 選手権群馬県予選準々決勝 桐生一高 2-1 健大高崎高 前橋総合]

 Bチームの仲間たちを勇気づける活躍だった。桐生一高は選手権予選1回戦の3日前にAチームに上ったばかりだという179cmMF中野就斗(2年)が、Aチームでの公式戦初先発。0-1の後半16分に同点ヘッドを決めるなどチームの逆転勝ちに大きく貢献した。

 強豪・桐生一の先発メンバーとして「責任を持ってプレーしようと思っていました」という中野は、ダブルボランチの一角として先発。コンビを組んだMF青木大和主将(3年)は「紅白戦で(2人のコンビネーション)はあまり良くなかった」と明かしたが、互いに声を掛け続け、ポジショニングを意識しながらプレーしていく。

 特に「そこが勝負になると思っていた」(青木)というセカンドボールを2人で回収。また、中野は「自分は空中戦では絶対に負けないと思っている」という高さを少しずつではあったものの、発揮していた。

 その中野が「物凄く嬉しかったです。あそこで余裕を持てたのはあります」と振り返ったのが、同点ゴールのシーンだ。右FKの場面でキッカーのMF田中渉(2年)に「オレに合わせろ!」と要求していたという中野は、ファーサイドで豪快に叩きつけるようなヘディングシュートを決めて見せた。

 ガッツポーズで初ゴールを喜んだ中野はこの後、中盤でのパスワークにもよく絡むようになるなど、攻守において活躍。「自分もBチームでやっていたので、いいところが見せられて良かったです」とBチームの仲間たちに「オレたちも!」と刺激を与えるような活躍ができたことを喜び、抜擢した田野豪一監督も「初めてのスタメンでゴールも決めた。あの高さは買っていた」と初先発の80分間を高く評価していた。

 中野は春の総体予選時に一度Aチームに昇格していたものの、持ち味の空中戦の強さや、周囲を見る部分が足りずにBチームに降格。だが、意識して相手よりも先に跳躍することで武器の空中戦を高め、Aチームへのチケットを再び獲得する。怪我によって合流が遅れたものの、今大会初戦(14日)の3日前にAチームに加わると、初戦で途中出場。そしてこの日は初先発で結果を残した。

 Aチームの公式戦に先発出場したことでまた高まった自信と責任感。MFセルヒオ・ブスケツのようなセントラルMFを目指す中野は、1か月後に行われる準決勝でも先発出場する意欲を持っている。「責任もって練習をやって、次の試合もスタメンで出られるように頑張りたい」。まずは練習でライバルたち以上のアピールを続けること。期待の大型MFが活躍をきっかけに、さらなる飛躍を遂げる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2017

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