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桐生一の両翼で攻撃力発揮した田中兄弟。弟・渉は左足で2ゴール演出:群馬

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桐生一高の右SH田中渉が左足シュート

[10.21 選手権群馬県予選準々決勝 桐生一高 2-1 健大高崎高 前橋総合]

 桐生一高は両翼のボールキープ力が強烈だった。左SHの田中宏武(3年)は2、3人に囲まれかけてもボールを渡さず、右SH田中渉(2年)は1対1のシーンのほとんどで突破。1歳違いの兄弟が桐生一の攻撃を牽引していた。

 弟の渉は前半から決定的な仕事をするような雰囲気を醸し出していた。飛び込んできた相手DFの背中を取って軽やかに前進。そこからスルーパスを狙い、ミドルシュートも打ち込んだ。

 そして、後半15分にはスピードに乗った仕掛けで右サイドを突破。PAに侵入する直前でファウルによって止められたが、この仕掛けによって相手DFが2枚目の警告を受けて退場した。そして直後、田中渉は「中野に『オレに合わせろ』と言われていた。合わせるだけでした」とファーサイドのMF中野就斗(2年)にピンポイントで左足FKを合わせて同点ゴールを演出。さらに、田中渉は後半アディショナルタイムにも右CKを合わせて決勝点の起点となった。

 兄のような力強さはまだなく、登録165cmの身体は線が細い印象だが、独特の感覚は注目だ。「全然、自分はまだまだなんですけれども、行けるところは強気でチャレンジして行く」というレフティーは、FWネイマールのようにドリブルで相手の守り、そしてシュートでゴールを破ることもできる選手を目指していく。

 今大会は兄とともに目指す最後の選手権となる。普段から海外サッカーの情報を共有するなど仲が良いという兄。「中入った時は宏武の方見て、開いているので出したり、スルーパスとか狙っています。悔いの残らないように、しっかり3年生を勝たせられるようにサポートしていきたい」。強敵を兄弟の攻撃力で打ち破って、兄とともに選手権の舞台に立つ。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2017

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