beacon

[MOM2258]湘南ユースDF八方伶央(3年)_セットプレーで殊勲弾!!頼れる主将が快進撃牽引

このエントリーをはてなブックマークに追加

セットプレーから決勝弾を決めた湘南ベルマーレユースDF八方伶央(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.22 Jユースカップ2回戦 湘南ユース2-0東京Vユース 馬入]

 台風21号の接近により激しい風雨の中で行われたJユースカップ2回戦、湘南ベルマーレユースの勝利をたぐり寄せる殊勲弾を決めたのは、主将のDF八方伶央(3年)だった。人工芝に水たまりができてボールが落ち着きにくい展開の中、「チャンスだと思っていた」というセットプレーの流れから今季初ゴール。試合後には「ゴールが久々すぎて、頭が真っ白になりました」と照れ笑いを見せた。

 序盤は東京Vユースが激しいプレッシングで主導権を握り、前半の45分間でシュート4本を打たれる苦しい展開。「前半は自分たちのやりたいことがなかなか出せなかった」と振り返るように、トップチームからアカデミーが一貫して目指す“湘南スタイル”は鳴りを潜めていた。

 しかし、3バックの中央でプレーする八方を中心にしぶとく身体を張り続け、前半を無失点に抑えたことがその後に生きた。時崎悠監督も「風の影響、ピッチコンディションなど、いろんな要素が重なり合う中でよく我慢していた」と一定の評価。「ボールを奪いに行くとか、もっと前に出て行くとか、ベルマーレが大事にしているものを出そう」と後半に勝負を懸けた。

 試合を動かしたのは「良いボールが入って、良いタイミングで入ればチャンスになるので、練習でも意識してやっていた」(時崎監督)というセットプレー。後半31分、FW和田響稀(3年)の左CKはファーサイドで足を伸ばした八方にわずかに合わなかったが、同33分に訪れた同様のシチュエーションで今度は中央に走り込み、フリーでこぼれ球に詰めた。

「(東京Vユースに対して)セットプレーがチャンスだというのは知っていて、決めてやろうというつもりでやっていた」と微笑んだ背番号3は、「前線の選手たちが頑張って(相手のボールホルダーを)追いかけてくれたおかげ。そうやって前に行くことができた結果として、あのセットプレーにつながったんじゃないかと思う」と、チームリーダーらしく仲間への感謝をまず口にした。

 そんな頼れる主将に対し、時崎監督の信頼感もますます高まっている。「もともとはキャプテンシーがあるという選手ではなく、キャプテンをすることで一回り成長してほしいと任せた選手」と“大役”指名の経緯を明かしたうえで、「オフザピッチではチームをまとめ、下級生を引っ張り、ピッチでのプレーは責任感が出るようになってきた」と成長に目を細めている。

 県リーグ所属ながら、8年ぶりに出場した夏の日本クラブユース選手権でベスト8入りを果たした湘南ユースは、この大会でもベスト16入りの快進撃。3回戦では高円宮杯プレミアリーグEAST所属の柏U-18と対戦するが、「ここまで強いチームに2回勝ってきたけど、自分たちの力におごらず、ここから100%以上の練習をやって、どんどん敵を倒していきたい」と謙虚さと自信を併せ持って臨む構えだ。

(取材・文 竹内達也)
▼関連リンク
2017Jユースカップ特集ページ

TOP