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全国連覇へ。“歴代最高”の後継ぐ主将、青森山田CB小山内「自分がどうチーム作りしていくかが大事」

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表彰式で表彰状を受け取る青森山田高CB小山内慎一郎主将

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.22 選手権青森県予選決勝 青森山田高 11-0 八戸学院野辺地西高 青森総合]

「翔さんという歴代トップというようなキャプテンの後で比べられるところがありました。翔さんには無いものを自分でまだ掴めていないんですけども、結果を出すことで並べると思うので、結果を出すために自分がどうチーム作りしていくかが大事だと思っています」

 青森山田高のCB小山内慎一郎主将は、昨年度プレミアリーグと選手権の2冠へ導いたMF住永翔主将(現明治大)の後継者として北の名門のキャプテンマークを巻いている。

 小山内も認めるように、圧倒的なキャプテンシーと自分が率先して周囲を和ませることのできるキャラクターによって個性派軍団をまとめ上げ、なおかつチームを勝たせた住永は昨年度の高校サッカーシーンで強烈なインパクトを残した主将。ボランチの住永をCBとして後ろから見続けていた小山内は主将を務めることになった際に、自分がどうあるべきか悩んだ部分もあったという。それでも先代の主将と同じことをやるのではなく、自分らしくチームを高めてきた。

「翔さんを見てきて自分と比較した時に、チームを上げるコーチングというのは翔さんには届いていないと思ったので、翔さんよりも鼓舞することや、チームが上手く行っていない時に変えるコーチングを頑張ってやろうと思ってやっている。自分は翔さんほど技術もないですし、個人の能力もあると思っていない。気持ちの部分で鼓舞できればいい」

 力みすぎることなく、自分なりのキャプテン像でチームを引っ張る小山内について黒田剛監督は「住永翔という素晴らしいキャプテンにある意味育てられた部分もあるだろうし、去年はCBの橋本恭輔(現新潟医療福祉大)とかに支えられながら自分が生きていた部分を今年は縁の下の力持ちになってGKの前で全部掃除するつもりでやっている。謙虚にやっているし、いい傾向にあるのではないかな」と評していた。

 去年のチームの成績は小山内をはじめとする選手たちにとって目標だ。インターハイでは昨年の4強に対して今年は16強。連覇を目指すプレミアリーグでは現在2位となっている。この日は立ち上がりから気迫十分の攻守で相手を飲み込み、11-0という圧巻のスコアで昨年決勝の4-0を大きく上回ったが、小山内に余裕、油断は全く見られない。準決勝で1失点した守備の反省をしつつ、「百戦百打一瞬の心、と言って1本中の1本を決めることが本当に去年は凄かったので、今年もその1本のシュートだったり、一つにこだわりを持ってやっていきたいと思います」と引き締めた。

 住永に続く選手権での選手宣誓は「キツイですよ」と苦笑いしたが、プレミアリーグ、選手権の優勝には本気でチャレンジして、昨年のチーム、そして主将に並ぶ。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2017

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