beacon

[MOM480]筑波大GK阿部航斗(2年)_坊主がトレードマークになった守護神

このエントリーをはてなブックマークに追加

筑波大のGK阿部航斗(2年=新潟U-18)の「声」に注目してほしい

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.22 関東大学1部L第18節 筑波大0-0東京国際大 柏の葉]

 ドロー決着は御の字か。列島横断で甚大な被害をもたらした台風21号の影響で、ピッチには水たまりができる劣悪な条件。ボールを思うように前に運ぶことが出来ず、多くの両チームの選手が苦労した。

 首位に立つ筑波大のゴールマウスを守るGK阿部航斗(2年=新潟U-18)は、「試合開始前から難しくなるのは分かっていた」と、いつもより集中してゲームに入っていた。見せ場は後半アディショナルタイム、東京国際大のMF石田勇大(3年=水戸啓明高)のクロスからFW進昂平(4年=浦和ユース)に決定的な場面を作られたが、横っ飛びセーブで弾き出し、得点を与えなかった。
 
 前の試合で2位の順天堂大が勝ち点3を積み上げたことを確認して迎えた一戦。「あのプレーは本当は裏に出たボールをカットしたかったんですけど、止めれたという結果に関しては良かったなと思います」。順大との勝ち点差を2とする勝ち点1を守ったプレーだったが、守護神は冷静に振り返った。

 坊主頭がトレードマークになっている。坊主にしたのは昨年末の大学選手権の直前。「気合を入れるため」と中学生以来だという坊主にして大会に臨んだ。そして筑波大は1年生守護神の活躍もあり、筑波大は13年ぶり8度目の優勝。故郷新潟に帰省した際に自ら買ったバリカンを愛用し、縁起をかついで坊主を継続している。

 吠えるGK。試合中の声だしも阿部の特徴だ。試合中、DF小笠原佳祐(3年=東福岡高)に「スーパーオガ!」と掛け声をかけて鼓舞するなど、先輩にも臆することなく声を出し続けている。「自分から声を出すことは意識しています。小さい頃からチームの先頭に立って指示するのが好きだった。ピッチに入ってしまえば、年齢は関係ない。味方の士気が上がればいいなと思っています」。

 小井土正亮監督も阿部の「声」は評価しているが、技術面については課題が多いと話す。ただそれは「自分の課題はキックというか、足元が差があると言われている。トレーニングだけで見たら、森本さん(GK森本泰介(4年=栃木ユース))の方がシュートを止める回数も多いですし、常に危機感をもってやれています」と阿部自身も認めていること。同学年のGK大川圭為(2年=浦和ユース)を含めたポジション争いが、技術の向上を促す。

(取材・文 児玉幸洋)
●第91回関東大学1部L特集

TOP