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[MOM2267]米子北FW城市太志(3年)_アグレッシブなプレーで全国切符を引き寄せる2発

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FW城市太志(3年)の2ゴールが流れを引き寄せた

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.28 選手権鳥取県予選決勝 米子北高 4-0 鳥取城北高 とりスタ]

 圧倒的に優位とみられた米子北高が鳥取城北高に敗れるとすれば、攻め込みながらも得点できず、時間の経過とともに焦りが生まれることがきっかけになると考えられた。そんな不安を一掃したのが、FW城市太志(3年)の序盤の2得点。前半3分、12分の連続ゴールで一気に試合の流れを引き寄せた。

 先制点の場面では、エリア外に出てきた相手GKのクリアを味方がカットしたこぼれ球が足元に来たチャンスを逃さなかった。「GKが前に出てきたときから、ゴールが空いているのは見えていました。早いタイミングでボールが来たので、すぐに打とうと思いました」というロングシュートが懸命に戻るGKの手をはじいてネットを揺らした。

 2点目もゴール前のこぼれ球に詰めて蹴り込んでおり、不意にボールがこぼれてきた決定機を確実に決めた。「前半が勝負だと思っていたので、最初から全力でゴールに向かっていった」というアグレッシブなプレーが、チームを8年連続の選手権に導く原動力に。ハーフタイムで「お役御免」の交代となったが、短い時間でしっかり結果を残した。

 これまでは出場機会を得ながらも、本人が「全然、結果を残せていない」と語るように、得点に絡めないことが多かった。中村真吾監督は「ゴールから遠ざかってパスを受けようとすることが多く、ファーストタッチもゴールから遠ざかってしまっていた」と指摘する。それを踏まえて「『とにかくゴールに向かって、こじ開けろ』と伝えた」という監督の指示通り、この日は開始直後から敵陣でスペースへのランやドリブルを繰り返し、相手の脅威となってチームを勢いづけた。

 ガイナーレ鳥取U-15から、父の徳之氏が総監督(2年前の入学時は監督)を務める米子北に進み、少しずつ力を伸ばしてきた。インターハイは初戦の2回戦・富山一高(富山)戦で先発したが結果を残せず、チームも0-1で初戦敗退。3年間の集大成となる選手権では「全国でゴールを決めたいし、ゴールに絡みたい」と、予選以上の大暴れを誓う。

(取材・文 石倉利英)
●【特設】高校選手権2017

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