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「ああいうプレーが今年の湘南」FW菊地俊介、空白の4か月もチームを誇る

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トロフィーを掲げるFW菊地俊介

[10.29 J2第39節 湘南1-1岡山 BMWス]

 台風の影響を受けた大雨のBMWスタジアム。悪天候の中、湘南ベルマーレはホームでJ2優勝を決めた。訪れた歓喜の瞬間。FW菊地俊介は試合後のセレモニーでシャーレ、トロフィーを掲げ、「あまりできる経験じゃない。うれしかったです」と笑った。

 今季は右太ももの負傷で長期離脱を強いられた。5月27日の第16節山形戦(0-1)後に戦列を離れ、復帰したのは9月30日の第35節金沢戦(4-2)。約4か月試合出場はなかったが、ここまで出場20試合で8得点。「僕個人としては怪我で半分くらいしか試合に出られなかった。よかったかと言われると分からない。ただ、戻ってきたときにチームが成長しているなと感じた」と率直に胸の内を明かした。

 忘れられない記憶がある。16年10月22日、大宮に3-2で敗れた試合でJ2降格が決まった。「NACK5スタジアムで、サポーターのみなさんが拍手で受け入れてくれた。ブーイングされてもおかしくない状況で拍手だった。本当に感謝しています。それを思い出して、やっと戻ってきたなと感じました」。14年に湘南でプロ生活のスタートを切り、その年にJ2優勝を経験した。シーズン86得点(25失点)を記録し、史上最速でJ1昇格を決めた14年よりも、今季は厳しいシーズンだったという。

「2014年は得点をたくさんとって勝っていたイメージがある。今年は1点差のゲームをモノにする試合が多かった。難しいシーズンだったというか、どっちに転んでもおかしくない試合はシーズンを通してたくさんあった。14年よりは間違いなく厳しいシーズンだったと思います」

 3節を残す今季はここまで55得点32失点。この日もラスト20分は怒涛の猛攻に遭い、後半だけで10本のシュートを浴びた。後半42分には同点弾を許し、1-1。最後まで攻め込まれたが、GK秋元陽太を中心に守備陣が粘り強く耐え、勝ち点1を死守した。

「最後、1点取られたあとのピンチでやられてもおかしくないシーンはあった。前から見てやられちゃったかなというシーンもあったけど、みんなが体を張って守った。ああいうプレーが今年の湘南を象徴するプレー」。派手さはないが、堅実な戦いぶりで優勝をつかんだチームを心から誇った。

(取材・文 佐藤亜希子)
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