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GK秋元陽太は湘南2度目のJ2優勝、14年との違いは「接戦をモノにしたチーム」

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ビッグセーブでチームを救ったGK秋元陽太

[10.29 J2第39節 湘南1-1岡山 BMWス]

 ラスト20分は怒涛の猛攻にさらされ、GK秋元陽太は後半だけで10本のシュートを浴びた。引き分け以上で湘南ベルマーレの優勝が決まったが、気は緩まなかった。

「変な試合はできないという恐怖しかなかった。ピッチのコンディションも悪かったので何が起こるかわからないと思いながらプレーしました」

 相手の攻撃の中心にいたのは後半22分に投入された元同僚のMF大竹洋平。積極的な仕掛けに守備陣は翻弄され、後半37分には決定的な左足シュートを打たれたが、秋元が横っ飛びでビッグセーブ。サポーターを沸かせた。

 しかし、後半42分にはその大竹が同点弾。FW菊地俊介が「最後、1点取られたあとのピンチでやられてもおかしくないシーンがあった」と振り返った通り、失点後も最後まで相手に押し込まれたが、「苦しい時間帯も全員で守れた」と秋元。DF陣とともに粘り強く攻撃を跳ね返し、苦しみながらも最小失点にとどめた。そして訪れた歓喜の瞬間。「こみ上げてきたものもあった」と抑えられず、ぽろぽろとこぼれる涙をぬぐった。

 湘南で経験した2度目のJ2優勝。史上最速昇格を決めた2014年シーズンは86得点(25失点)、複数得点で快勝する試合も多かった。3節を残す今季はここまで55得点32失点と、チームカラーは異なる。「これまでの試合で積み上げてきたものが実ったと思っている」。シーズンを通して一度も連敗はなく、1点差の接戦を制し、勝ち点を丁寧に積み上げてきた。

「圧勝した試合もなく、接戦をモノにしたチームだと思っている。日頃からのみんなの努力、考え方、共通認識がしっかりできたからこそ接戦をモノにできて、優勝や昇格につながった」。チョウ・キジェ監督の下、目の前の試合に集中し、全員でしぶとく戦い抜いた。

(取材・文 佐藤亜希子)
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