beacon

水橋が後半3発で準決勝突破!宿敵・富山一との決勝で“4度目の正直”目指す:富山

このエントリーをはてなブックマークに追加

先制点を奪ったMF金木亮(10番)を水橋高の選手たちが祝福

[11.3 選手権富山県予選準決勝 富山商高 0-3 水橋高 高岡スポーツコア]

 第96回全国高校サッカー選手権富山県予選の準決勝が3日に行われ、水橋高が富山商高に3-0で勝利した。水橋は11月5日の決勝で富山一高と対戦する。

 立ち上がりから、試合のペースを掴んだのは水橋。ボランチのMF金木亮(3年)やセンターバックの鍋田純志(3年)を起点とした後方でのボール回しから果敢なサイド攻撃を披露した。

 特に出色だったのは、右サイドからの仕掛け。14分には、鍋田から右サイドにボールが入ると、DF今村優(3年)が攻撃参加。ゴール前に送ったパスから金木がゴールを狙ったが、惜しくもシュートはGKの正面に終わった。続く17分にも、今村のオーバーラップから見せ場を演出。中へのボールから、FW新庄力也(3年)がゴールを狙ったが、枠を捉えることができなかった。

 以降は「ボールを動かす時に周りを見れていなかった。相手を見ずに単調にクロスを入れていたので、相手に跳ね返されて終わる形が多かった」と上田裕次監督が指摘したように、チャンスを作りながらも均衡を崩せないまま前半を終えた。

 対する富山商は、ボール奪取からボランチのMF谷川陽祐(2年)が前線にロングボールを配給。フィジカルが強いFW島祐也(3年)のポストプレーからMF杉林泰斗(3年)ら2列目が攻撃チャンスを伺ったが、「9番(島)は身体ができていて、ロングボールに対して身体を張って、おさめようとしてきた。自分は身体が大きくないので、そこにボールが入る前に止めようと考えていた」と振り返る鍋田に封じられ、前半のシュートは2本に終わった。

 両者、1点を奪うべく、攻勢を強めた後半は、一進一退の攻防が繰り広げれた。最初に決定機を作ったのは富山商。後半10分に谷川のフィードから、FW前田遥輝(2年)が右サイドをフリーで飛び出し、シュートを狙ったが、ボールは惜しくも枠の外に逸れた。何とかピンチを耐えた水橋は、直後にゴールキックから素早く攻撃に転じると、後半12分に新庄が相手エリアを突破したところを倒され、PKを獲得。金木が落ち着いて決めて試合を動かした。

 ホッとしたのも束の間の14分には、ゴール前の混戦からピンチを招き、肝を冷やす場面も。富山商は杉林のループパスからDFの裏へ飛び出した島が決定機を迎えたが、シュートはサイドネットに終わり、水橋は再び難を逃れた。

 すると16分、またしてもピンチの後に水橋のチャンスが到来。「前半はサイドからのボールに対し、ニアで勝負していたけど、後半はファーで勝負しようと考えていた」と鍋田が説明した通り、DF廣田隆良(3年)が左からゴール前に入れた鋭いパスをファーサイドのFW長田歩(2年)がスライディングで合わせて加点した。25分には相手エリアでボールを奪った金木がゴール左隅にミドルシュートを突き刺し、3点目をマーク。勝負どころを制した水橋が、3-0で勝利し、3年ぶり7回目の選手権出場に王手をかけた。

 決勝で対戦する富山一は、「今までやってきたチームとは、何段階も(レベルが)違うチーム。ここまで僕たちも良い雰囲気で来れているけど、相手はそれ以上に上回ってくると思うので、気を引き締めながら何段階もギアを上げないといけない」と鍋田が気を引き締めるように、これまでとは勝手が違う相手。実際、過去3年間で3回対戦し、一度も勝てていない。

 鍋田が「入学する前は、富一を倒して全国に行きたいという思いで水橋に入ったけど、向こうは3年間で力をつけている」と警戒心を強める一方で、「球際の強さとプレスが速い富一に勝つために、インターハイの決勝で富一に負けてから意識してきた」と自らの成長も実感している。狙うのは、“4度目の正直”のみ。「中学時代から仲が良い友達もいるので、倒したい気持ちが強いけど、試合を楽しみたい気持ちもある」と話す鍋田ら水橋イレブンは、高校最後となるリベンジのチャンスを心待ちにしている。

(取材・文 森田将義)
●【特設】高校選手権2017

TOP