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「自分が不甲斐ない」主将として初タイトルもたらした柿谷が語った“後悔”

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優勝カップを手に満面の笑みを見せるFW柿谷曜一朗

[11.4 ルヴァン杯決勝 C大阪2-0川崎F 埼玉]

 セレッソ大阪伝統の8番を付け、キャプテンとしてクラブ史上初のタイトル獲得に、その名を刻んだ。メインスタンドに設置された特設ステージで行われた表彰式。優勝カップを高々と掲げたFW柿谷曜一朗は「すごく不思議な気持ちだった」と束の間、感慨に浸った。

 個人的には悔しさもあった。後半39分にベンチへ下がったエースは「最後まで(ピッチに)立つべきだと思ったし、自分への不甲斐なさは残る」と率直に言った。8番のユニフォームの下に着込んでいた20番のユニフォームを、本当なら優勝を決めたあとのピッチ上で見せるつもりだったからだ。

 高校卒業後の03年から在籍するチーム最古参のDF酒本憲幸。C大阪で15シーズン目を迎えた33歳のベテランは今季、J1では出場機会がないものの、ルヴァン杯では5試合に出場し、チームの決勝進出に貢献してきた。しかし、そんな背番号20も決勝はベンチ外。その思いをユニフォームとともに引き継いでいた。

「一人だけ名前を挙げるのも良くないかもしれないけど」。他の若手選手を含め、総力戦で勝ち上がってきたルヴァン杯。全選手に対するリスペクトを込めつつ、それでも柿谷は「シャケさん(酒本)と一緒に優勝したかったし、シャケさんのユニフォームを借りて、一緒に戦ってほしかった」と打ち明け、だからこそ「最後までピッチにいたかった」と本音も吐露した。

「一つ目(のタイトル)が取れたときにこのチームにいられて幸せだった」。それでも、ここで満足し、立ち止まるつもりはない。「歴史に名を刻みたかったし、これからももっともっと自分たちの名を刻んでいきたい」と、さらなるタイトル獲得を誓った。

(取材・文 西山紘平)
●ルヴァン杯2017特設ページ

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