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[MOM2279]作陽FW飯原一樹(3年)_「最後にチームを救う存在に」夏の悔しさから成長遂げ、有言実行の2発

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1-1の前半27分、右足ミドルシュートで勝ち越しゴールを奪ったFW飯原一樹

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.4 選手権岡山県予選決勝 作陽高 3-2 岡山学芸館高 Cスタ]

 3年ぶりの全国大会を目指すチームの最前線で、愚直に走り続けた。ロングパスに合わせて何度もスペースへ抜け、相手の最終ラインがボールを持てば猛然とプレッシャーをかける。そして、勝利に導く2得点。作陽高のFW飯原一樹(3年)が見せたのは、「自分はうまい選手ではないので、チームのために体を張る。足がちぎれるまで走ろうと思った」と語った通りのプレーだった。

 自身1点目は、1-1で迎えた前半27分。ゴール正面約25メートルでボールを持つと、「攻撃のリズムを作りたくて、思い切って打った」という右足ミドルシュートが、相手の選手に当たってコースが変わり、ネットに吸い込まれた。2-2で迎えた後半7分には、右サイドからのFKに合わせ、ゴール前で上体をひねりながらヘッド。「キッカーの西山拓実と練習でやっていた形。試合前にも『俺のところに蹴ってこい』と言っていた」と語ったホットラインで決勝点を奪った。

 雪辱を期して臨んだ選手権予選だった。インターハイ予選の初戦でチームは勝利したものの、自身は退場処分を受けた。出場停止だった準々決勝でチームは就実高に0-1で敗れ、「自分のせいで負けて、チームに迷惑をかけてしまいました。野村先生(雅之総監督)にも厳しく言われ、ここで自分が変わらなければ後悔すると思って、夏の遠征からやり込んできた」と振り返る。「自分が最後にチームを救う存在になることを毎日、イメージしてやってきた」と語る練習の成果を、見事な有言実行で示し、チームを3年ぶりの選手権出場に導いた。

 自身初、現在のメンバーとしても初めての全国大会となる選手権。「全国でも持ち味の泥臭さを出したい」と意気込み、「どんな相手にも作陽のサッカーで臨み、最後の日までサッカーをやって勝ちたい」と力強く語った。

(取材・文 石倉利英)
●【特設】高校選手権2017

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