[11.4 選手権栃木県予選決勝 佐野日大高0-3矢板中央高 栃木グ]

　守備の要の穴を全員でカバーした。特に代わってスタメンに名を連ねたMF土谷大晟(2年)は全3得点に絡む大活躍だった。

　矢板中央高は準決勝の小山西高戦でCBのDF白井陽貴(2年)がイエローカードを貰ってしまい、決勝の出場停止が決まっていた。

　代わって取られたのは、ボランチの主将MF稲見哲行(3年)をCBに下げて、土谷をボランチで起用する布陣だった。

　初戦となった2回戦の大田原高戦以来の先発だった土谷だが、前半22分にFKをDF高島祐樹(3年)の頭に合わせてアシストを記録すると、同34分にはCKで追加点を呼び込む。後半29分には中央から左のMF飯島翼(2年)にパスを出して、FW望月謙(2年)が決めたダメ押し点を演出した。

　土谷は準決勝後に白井が落ち込んでいるのを見たという。試合前には「お前は自分の分まで頑張って来い」というエールを送られた。「絶対に全国(の切符を)とれよって言われていた」。クラスメートでもある仲間の言葉に「今日はやってやろうと思った」と発奮。気合十分で臨んだ結果、最高の答えを出してみせた。

　全国大会のピッチに立つためには、大会注目のU-17日本代表MF松井蓮之や主将MF稲見らとのレギュラー争いを勝ち抜かないといけない。しかしチャンスは必ずやってくるはず。「緊張よりも楽しかった。最後までピッチに立てたのは嬉しかった」と大一番を振り返った土谷の成長が、タレント軍団に刺激を与える。

(取材・文　児玉幸洋)

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