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[MOM2286]成立学園FW窪田稜(2年)_50m走5秒9の快足FWが電光石火の先制点!

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貴重な先制ゴールを叩き出した成立学園高FW窪田稜

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.4 選手権東京都Aブロック予選準決勝 成立学園高 2-0 東海大菅生高 西が丘]

 正確なパスワークで相手の守りを広げ、局面を鮮やかに崩してゴールを連発していく成立学園高。だが、キレイに崩して勝つだけでは選手権予選を制すことはできない。そのチームにとってプラスアルファの武器となるのが、50m走5秒9の快足FW窪田稜(2年)のスピードだ。

 宮内聡監督は「狙いは速い攻撃。選手権の予選に関しては相手に食いつかせて開いた穴を見逃さずにそこを突いていこうと。そのために稜がいる」と語り、主将のMF鈴木皓(3年)も「稜に関しては、成立には珍しいタイプ。裏に一本出てというタイプはここ何年でもいなかったと思う。自分たちのサッカーのプラスアルファ。アイツのスピードとか裏の抜け出しはチームにとって武器になっている」と説明する。

 その窪田が準決勝で成立学園に大きな1点をもたらした。前半開始50秒弱、成立学園は中盤に引いてボールを受けたFW佐久間駿希(3年)がDF間へ斜めのスルーパスを通す。これで抜け出した窪田が左足シュートでGKの脇を射抜いて先制点を決めた。

「(佐久間は)いつもオレが裏へ走ったら出してくれるんで、最初から出していいと言っていた。駿希がいいボールを出してくれてGKと1対1になったので後は流し込むだけでした」。チームが重視していた先制点は、快足FWによってもたらされ、試合の流れは一気に成立学園へ傾いた。

 窪田は特に前半、左サイドからのスピードを活かした仕掛けでチャンスを演出。後半は抜け出しから決定的なチャンスに幾度も絡んだが、2点目を決めることができなかった。「もう2、3点は取れた。これではチームを助けられない」と悔しさを滲ませる結果に。東京都1部リーグや今大会でも毎試合のようにゴールを連発してきているものの、決めるべきところでより決められる選手にならなければならない。

 本人は成立学園の他の選手たちに比べると、技術力が劣ると感じている。日頃のパス練習でもズラしてしまうことがあり、トレーニングでレベルアップを図ってきた。実際に精度は上がってきている印象だが、全く満足はしていない。より、技術レベルを上げ、「ボール持ってからのスピードもあんまり負けたこと無い」というスピードを活かしてゴールを連発する選手になる。

 周囲からはっきりと「決めてくれ」と求められているゴール。12年ぶりの選手権出場を懸けた決勝戦でも、ゴールを決めることを何よりも優先していく。1年前、スタンドから先輩たちの悔しがる姿を見た。「関一を倒して全国に行けるように頑張ります」と意気込むFWがゴールで成立学園を全国へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2017

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