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[MOM2297]國學院久我山MF三富嵩大(3年)_FK2発ポストに当て存在感も…前任14番・名倉巧は「まだまだできる」

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前半28分、國學院久我山高MF三富嵩大の右足FKはポストを直撃

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.5 選手権東京都Bブロック予選準決勝 國學院久我山高1-0国士舘高 西が丘]

 この日、リハビリ期間中ということもあって母校・國學院久我山高の応援に駆けつけていたMF名倉巧(現琉球)は、1学年下の後輩MF三富嵩大(3年)について、「大事な時に点取ってくれるいい選手だと思います。ボールもキープできるし。そんなはっちゃけているタイプではないけれど、内に秘めているものはあると思う。これからいい舞台があるのでそこで出していければいい」と語った。三富は昨年までの2年間、名倉が背負っていたエース番号「14」の後継者。その後輩へ向けて、先輩のJリーガーは「まだまだできると思います」と期待感も口にしていた。

 三富が国士舘高との準決勝で会場を沸かせた一人だったことは間違いない。前半28分に左中間から放った右足FKはゴールマウスを弾き、後半39分には左サイドから狭いニアサイドを狙った右足FKが再びポストを叩いた。GKの正面を突いたシュートを含めて、PA外側でもFKや、ミドルシュートを打てる状況を与えてしまうと、一発でゴールを破られるような恐怖感をライバルたちは感じたはずだ。

 清水恭孝監督も存在感あるプレーをした三富について及第点の評価。ただし、本人は国士舘MF齊藤敦(3年)の厳しいマークに苦しんだこともあって、この日のプレーについては納得していなかった。

「きょうはミスだらけで……。ボールを受ける位置が良くなくて7番の子(齊藤)が激しく来ていてやり辛かった。もうちょい、フリーになれたのかなと思います。きょうは全然収まらなくてダメだったので、この一週間いい練習して、決勝はFKもですけれども、決めきってチームに貢献したい」

 技術力は非常に高い。精度とパワーを兼ね備えたシュートも注目のタレントだ。闘志を全面に出すタイプの選手ではなかったが、「選手権になって声出すように意識して、得意じゃないですけれども、チームが苦しい時に鼓舞とかすることを意識しています」という。

 変わった要因は昨年、今年と全国舞台から遠ざかっているから。「去年、(予選で初戦敗退したが)選手権でもっと(先輩の)3年生と一緒にやりたったし、悔しくて。今年も(関東大会、インターハイと)あと1勝で出場権を逃している。夏とか特に悔しかった」。夏は自分たちに勝利した関東一高が全国8強。その悔しさがエネルギーとなって、声や競り合いで身体を張る部分など、エースは貪欲に勝利へ向かう姿勢が増してきている。

 それでも、名倉が語ったように「もっとできる」印象がある。ポテンシャルを考えれば、もっと存在感を放つことができるはず。本人も名倉のように、エース番号に相応しいプレーができていないと感じている。「まだ全然。名倉くんくらい、もっと攻撃の中心になっていかないといけないし、走らないといけない」。それでも勝ち続ければ、過去の14番に肩を並べる可能性も、上回る可能性もある。三富は「全国に出れたら14番に相応しいというように言えると思います」。決勝でチームを勝たせる活躍を見せて、「真のエース」になる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2017

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