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[MOM2299]G大阪ユースGK桑原瑠真(3年)_痺れる2本のPKストップ!“PK戦無敗”の頼れる守護神

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殊勲の活躍でチームを4強に導いたGK桑原瑠真(3年)がガッツポーズ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.5 Jユースカップ準々決勝 湘南ユース1-1(PK4-5)G大阪ユース NACK]

 痺れるPKストップでG大阪ユースをベスト4に導いた。1-1で突入した延長戦でも決着はつかず、勝負の行方はPK戦に委ねられた。死闘の末に訪れた出番。ゴールマウスに立ったGK桑原瑠真に恐怖心や気負いはなかった。

 先行の湘南は3人目まで失敗なく、チームメイトの3人目MF梅津克貴(3年)が湘南GK真田幸太(3年)に止められてしまう。不安に襲われる場面でも、「まだ3人目やったので。1本外しても想定内でした」と気持ちはブレなかった。

 見せ場はここから。湘南4人目MF鳥海翔(3年)のシュートコースを読み、タイミングを合わせて左に飛んで弾き出すと、4-4でサドンデスに突入。湘南6人目MF柴田徹(2年)のキックも横っ飛びで再びストップ。桑原は力強く拳を握り、咆哮した。迎えたG大阪は6人目のMF丹羽匠(2年)がGKの逆を突いて右足でゴール右下隅に沈め、5-4で勝利。ピッチには主役の桑原を中心に歓喜の輪が広がった。

「助走とか、ちょっと喋りかけたりして相手と駆け引きをした。普段のPK練習でGKコーチからアドバイスを色々もらっていたので、相手の助走や目線で飛ぶ方向を決めました」(桑原)

 29日の3回戦名古屋U-18戦でも劇的なPKストップを披露したばかり。2点リードの後半10分にはDF菅原由勢(2年)のPK弾で1点を返されたが、終了間際のPKはストップ。決められれば2-2に追いつかれる局面でチームを救った。名古屋戦の前には「夢でPKを止めるシーンを見た」と笑い、「(名古屋戦は)2本ともコースは当たっていたので今日は自信を持っていきました」。その手応えが落ち着きにつながり、見事に2本をストップ。「小学生の頃からPK戦は負けなし」という自らの記録を更新し、自信を深めた。

 圧巻のパフォーマンスに「2戦連続で、滅多にないことですよ」と實好礼忠監督は唸り、「普段からの振る舞い、トレーニングへの取り組み方が素晴らしい選手。それが結果に出てよかった」と目を細めた。チームメイトも安心してPK戦を見守った。「前の試合でもPKを止めていたので負ける気はしなかった。瑠真くんは信頼できるGKです」とMF奥野耕平(2年)が信頼を口にすると、DF臼井貫太(3年)も「後ろに瑠真がいるのでいつも安心して守備ができる」と仲間を誇った。

 タイトルまであと2勝。12日にキンチョウスタジアムで行われる準決勝では川崎フロンターレU-18と対戦する。「またPK戦になっても止められる自信はあります」。頼れる守護神は「次は大阪で戦えるので、絶対に地元で勝って(決勝の)長野に行きたい」と頂点を見据えた。

(取材・文 佐藤亜希子)
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