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10番背負う乾「真司の番号。真司の思いも背負って戦う」

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今回の欧州遠征で10番を付けることになったFW乾貴士

 新ユニフォームのお披露目と同時に行われた日本代表の背番号発表。MF香川真司(ドルトムント)がメンバーから外れたことで注目された10番はFW乾貴士(エイバル)が背負うことになったが、心の中には複雑な思いが浮かんでいた。

「10番は自分のものではない。(香川)真司が今まで付けてきて、真司の番号だと思っている。その真司が今回はいない。変なプレーはできないと思うので、責任を持ちながら、真司の思いも背負いながらやりたいと思う」。日の丸のエース番号にプライドを持ちながら戦ってきた香川をおもんぱかり、神妙な口調で言った。

 その一方で「僕自身はこだわりはないというか、むしろ10番はイヤ」とも打ち明けた。過去に香川が不在だった試合(12年11月14日オマーン戦、17年6月13日イラク戦、17年9月5日サウジアラビア戦)で3度、10番をつけたことがある乾だが、いずれも出場機会は訪れなかった。

「今までも付けたことはあるけど、出たことがない。10番を付けると出られないというジンクスがあるので、だから付けたくないというか……」。ジョークとも本音とも取れるコメントで出場機会を切望した。

 ブラジルに対しては具体的な戦い方が頭に浮かんでいるようだ。それは、ロシア切符を獲得した8月31日のW杯アジア最終予選・オーストラリア戦のように、前からハメる守備に挑みたいということだ。

「守備のときにどれだけ積極的に奪いに行けるか。引く場面ももちろん出てくるけど、オーストラリア戦のように、前からハメられればチャンスをつくれる。そういう戦いをできれば日本のレベルはもっと上がっていくと思う。難しいことだけど、そういうチャレンジができる場なので、チームとしてチャレンジしていきたい」

 攻撃面ではリーガでバルセロナ相手に2点を取った経験があるだけに、ブラジルに警戒されることも予想されるが、「自分のところで崩せれば他の選手が良い状況になると思う。そういうところも意識しながらいろいろなことをやっていきたい」とアイデアを膨らませた乾。背番号にこだわらず、プレーでインパクトを残し、日本を上のレベルに押し上げるつもりだ。

(取材・文 矢内由美子)

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