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技あり先制弾のFW宮代大聖、指揮官も指摘するW杯後の“変化”「意識は間違いなく高くなった」

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先制ゴールをねじ込んだFW宮代大聖(2年)

[11.5 Jユースカップ準々決勝 C大阪U-18 2-3川崎F U-18 NACK]

 スコアレスで折り返した後半、川崎フロンターレU-18は鮮やかな崩しからFW宮代大聖(2年)が先制ゴールを挙げた。後半15分、DF小川真輝(3年)のパスを受けたMF桝谷岳良(3年)が守備網の間に絶妙なスルーパス。すると、宮代が右足トラップから素早く体を反転して持ち替え、左足シュートをねじ込んだ。

「得意な位置でいい縦パスがきた。振り向きざまでのシュートだったけど、自主練からやっているイメージ通りの形だった」。相手3人に囲まれながらもゴール前で落ち着きを見せ、「あそこで打てる余裕ができた」と納得のいく技ありゴールで勝利に貢献した。

 U-17W杯からチームに戻り、約2週間が経った。U-17日本代表のエースストライカーとして乗り込んだインドでは優勝国イングランドに敗れ、ベスト16で敗退。特にフィジカルで日本を上回るフランス戦、イングランド戦は前線でボールを収める機会が限られ、世界との差を痛感した。

「足元の技術だったり、考えながらプレーするところがまだまだ足りないなと感じた。俊敏さやテクニックをもっと上げていかないと、またその舞台に立ったときに同じように悔しい思いをする。パワー、スピードで勝てない分、ほかをもっと補わなきゃいけない」

 世界との真剣勝負で見えた課題。一方で、大会2ゴールとしっかりと結果も残し、背後のスペースへの飛び出しでチャンスをつくった。「(フランス戦で)PKを取ったゴール前の仕掛けだったり、一瞬で相手をはがす動きは通用した」と強みが通用した手応えもある。

 エースの奮闘を見守った今野章監督は「できなかった部分が大きかったと彼は痛感していた。『ここから何をやるかだよね』という話をした」という。大会後は「さらに質を上げようという気概が感じられるし、ゴールへの意識は間違いなく高くなった」と変化を指摘。宮代自身も「あの経験をしたのは自分たちだけですし、次につなげたい。より高い強度を求めて練習できている」とさらに意識高く、成長速度を上げようとしている。

 Jユースカップ制覇まで残り2勝。「個人として得点、結果というのは常日頃から求めていますし、1試合1得点以上というのはどの試合でも常に持っている目標」と力を込めた。W杯で受けた刺激を糧に、フロンターレ、日本の未来を背負うゴールハンターは試合ごとに進化を遂げていく。

(取材・文 佐藤亜希子)
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