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トップ昇格内定FW山田寛人、大会4得点目も涙の敗退「大聖にはやっぱり勝ちたい」

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最後まで相手の脅威となったFW山田寛人(3年)

[11.5 Jユースカップ準々決勝 セレッソ大阪U-18 2-3川崎フロンターレU-18 NACK]

 あと1点が欲しかった。FW山田寛人(3年)は「前半からいい形で味方が自分に出してくれたけど、決めきれなかったところが結果につながってしまって申し訳ない気持ちです」と自らを責めた。試合を通して放ったシュート数は両チーム最多の6本。セレッソ大阪U-18は序盤から最前線で体を張る山田にボールをおさめ、相手ゴールを強襲した。

 試合が動いた後半、一気に2点を奪われ、チームは怒涛の猛攻をかけた。迎えた後半28分、MF有水亮(3年)が前線にロングキックを入れると、山田が競り合いのこぼれ球に反応。DFデューク・カルロス(3年)を振り切ってボールの落下点に入ると、体を倒しながら左足でねじ込んだ。難しい体制からの技ありゴール。大会4点目を記録した。

 さらに後半34分、DF鈴木冬一(2年)の劇的同点弾で2-2に追いつく。流れはC大阪に傾いていたが、後半40分にPKを決められ、2-3。どうしても欲しいあと1点。山田は気迫を示して相手のマークを振り切り、終了間際にシュートを連発。最後までゴールに襲いかかったが、無情にも試合終了のホイッスルが吹かれ、あふれ出る涙を何度もユニフォームで拭った。

 相手のエースFW宮代大聖(2年)とはU-17日本代表で定位置を争った。この日同じく1点を決めたライバルとの対戦には「大聖にはやっぱり勝ちたいっていう思いでやっていた」と率直に明かし、「一発のチャンスを決めてきたり、そういう差があると思うのでどんどん上げていかないといけない」と悔しさをにじませる。

 U-17W杯インドは限られた出場機会の中でゴールを挙げられず、不完全燃焼に終わった。「途中からチャンスをもらったフランス戦もニューカレドニア戦も何もできなかった。あっけなく終わってしまったという思いが自分の中にある」。持ち帰ってきた悔しさを力に変え、生粋の点取り屋は「自分でゴールを決めるという意思は強くなった」とさらなる成長を誓う。

 すでにトップチームへの昇格が内定。プレミアリーグは残り4試合。「一試合一試合成長して、勝ち切ることが大事。残り少ない試合で自分は得点にこだわって、今日みたいな試合がないように自信を持ってやっていきたい」。ゴールへの嗅覚をさらに研ぎ澄ませ、プロの階段を駆け上がっていく。

(取材・文 佐藤亜希子)
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