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日本vsブラジル 試合前日のハリルホジッチ監督会見要旨

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公式会見に出席するハリルホジッチ監督

 10日の国際親善試合でブラジル代表と対戦する日本代表が9日、試合会場のスタッド・ピエール・モーロワで公式練習を行った。練習前にはバヒド・ハリルホジッチ監督が公式会見に出席した。

以下、ハリルホジッチ監督の会見要旨

バヒド・ハリルホジッチ監督
「多くの人が(記者会見に)来てくれて、日本を見に来てくれていると思っている。かなり大きなテストになる。現段階で世界で一番強いチームと対戦する。個人も組織もハイレベルな選手がそろったチームだ。私にとっては、世界一になる第一の候補のチームだ。長い間、このチームを追跡しているが、抜本的にチームが変わった。古い世代のブラジル人はオフェンス面のことしかやっていなかった。何人かは守備していたが。初めてブラジルというチームがブロックで守備をするというのを目にしている。全員がしっかりハードワークしている。これは新しいこと。新しい監督が来てから、彼らの勝率には素晴らしいものがある。アルゼンチン戦で負けたが、それは偶然だ。得点効率も非常に高い。15試合で4失点しかしていない。つまり、このチームは強いということを証明している。守備面で規律が素晴らしく伴ったブラジルを初めて見る。歴史的にもずっと素晴らしいアタッカーをそろえている。我々も勇気を持って、強い気持ちを持って臨みたい。彼らにダメージを与えたい。日本がどのレベルにいるかの確認にもなる。ブラジル戦もベルギー戦も我々にとっては非常に貴重なものだ。世界で最も強い2か国。どのように我々がプレーするか見ていきたい」

―リールに戻ってきたが、このスタジアムで試合をすることはどう感じるか。
「本当にうれしい。ここから近くに住んでいるし、新しいスタジアムを目にしてうれしく思っている。私の時代にこういうものがあってほしかった。ただ、私もこの新しいスタジアムをつくろうと言ったうちの一人。関係者、政治家の人に少しプレッシャーをかけたことを思い出す。素晴らしいスタジアムをつくってくれた。選手にも『私の地元でやる』と言った。『絶対に勝たないといけない。そうしないと私は生活できないよ』と」

―ブラジルに勝てると思うか。
「勝てると思っているし、そう信じたいが、冷静に、真面目に、真剣に捉えないといけない。ブラジルのほうが強いだろう。現段階で世界で一番強いのがブラジルだと思う。ただ、我々も何かをトライしないといけない。こういう試合の経験はある。前回のW杯でドイツ戦に向けて準備したが、ドイツはあの当時、世界で一番強いチームだった。実際、世界一になった。同じような状況だ。特別な準備をしないといけない。すべての試合を分析したが、(ブラジルが)どのようなプレーをするかは完璧に把握している。あとは我々の守備の仕方、攻撃の仕方をつくらないといけない。守備するためだけに来たわけではない。ボールを奪えば攻撃を仕掛ける。このチーム(ブラジル)を揺れ動かしたい」

―だれが先発するのか。
「この2日間準備してきた。だれが先発するかということだが、それは分からない。守備で何をすべきか、ブロックの仕方、攻撃の仕方もやっている。選手も守備だけしなければいけないと思ったら不安になるが、我々は守備だけをするようなクオリティーではない。我々のアイデンティティーを伴ったサッカーをしたい。しっかり守備して、しっかり攻撃する。結果は見てみないと分からないが、勇気と勇敢さを持ってやらないといけない。負けるための準備をしたことはない。10回のうち、このようなチームに1回成功するかもしれない。守備を完璧にやって、攻撃のところはリアリストになって、(チャンスを)逃さないことをしっかりやらないといけない」

―強いチームと対戦したときのほうがチームの良さは出やすいのか。
「W杯の準備をしている。W杯の準備ということは、厳しさが高くなるということ。フィジカル、テクニック、タクティクス、メンタル、すべてにおいてだ。いろんなことを伸ばさないといけない。野心を高く持たないといけない。私が就任したのは、W杯、アジア杯が終わったというときだった。私が受け持ったグループは失望していて、野心もない状態だった。ブラジルでのW杯、オーストラリアでのアジア杯を終え、彼らは失望でいっぱいだった。3年かけてこのチームに勝つ文化を植え付けてきた。今のところ、ここまで進んできた道のりは悪くなかったと思っている。ただ、世界で一番のチームと対戦したことはなかった。本大会では一番のチームとやるかもしれないから、今やっておかないといけない。ブラジル戦、ベルギー戦が終わったらいろんな答えが出ると思う。私のスピーチもより細かくなり、どのポイントを伸ばさないといけないかが分かると思う。選手がクラブでやらないといけないこと、次の合宿までに何をやらないといけないか、何を伸ばさないといけないか。ブラジルよりも良い結果を求めようと思えば、大きな野心を持ってトライしないといけない」

―新しい戦術、システムを試す考えはあるか。
「新しいシステム、やり方があるかは分からないが、我々は我々のシステムで戦う。戦術的な練習もかなりやってきた。(ブラジルの)速く、テクニックもあって、能力の高い3人のFWをどう抑えるか。いいパスの出てくる中盤をどう抑えるか。左右の両サイドバックをどう抑えるか。ボールを奪ったら何をすべきか。それは完璧に説明している。どこにつないで、だれが顔を出すかまでやっている。速く、たくさん走らないといけない。リズムの変化が大事になるが、相手もそれはうまい。特にネイマール、ジェズス、フィルミーノあるいはウィリアン。彼らは足が速い。ただ、我々は我々のプレーを試す。日本代表もコンプレックスなしにやりたい。我々も得点を取れる、何かができると。“何もできないな”ではなく、そういうメンタル面もすごく大事になる。戦術的な面は各自に細かく説明している。コミュニケーション能力はもっと高めたい。何人かは怒った。試合中のコミュニケーション能力はもう少し高めてほしい」

(取材・文 西山紘平)

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