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「2点差は危険…」大津が終盤20分で4発逆転!ラッキーボーイ田崎が2戦連続V弾:熊本

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田崎魁星がラッキーボーイに

[11.12 選手権熊本県予選準決勝 ルーテル学院高 2-4 大津高 熊本県陸]

 大津高がラスト20分の猛反撃で大逆転勝利を飾った。第96回全国高校サッカー選手権熊本県予選は12日に準決勝2試合を行い、第2試合は大津高が4-2の逆転でルーテル学院高を下して決勝進出を決めた。

「ルーテルの前半、大津の後半」だった。先手を奪ったのは、連覇を狙うルーテル学院だった。サイドチェンジから個人の突破で状況を打開し、クロスボールでゴールへ迫った。敵陣へ押し込んだ前半22分、左サイドでロングスローを見せていた左DF稲葉力丸(3年)が「ショートスロー」を投じて、リターンパスから低いクロス。パスを受けたボランチの三上宗一郎(3年)がドリブルを仕掛けてシュートを放つと、相手GKが弾いた球をボランチの徳永敦優(2年)が押し込んで先制に成功した。

 攻撃の組み立てでリズムが出ない大津は、前半27分に選手を交代。2年生の長身FW大崎舜を投入して前線にターゲットを設け、シンプルな攻撃に移行した。中盤の底からロングパスを配球していたMF福島隼斗(2年)が「最初はサイドに蹴って、そこからドリブルとか個人で行くしかなかった」と話したように、ビルドアップから外を使っても手詰まりになっていた攻撃は、次第に中央の起点から外へ広げて再び中を狙う攻撃に変化していった。

 しかし、次の1点を奪ったのもルーテル学院だった。前半終了間際、トップ下から右へ抜け出したMF野口慶悟(2年)が左MF竹宮彪真(3年)からパスを受けてシュート。GKが弾いたこぼれ球を、野口と入れ替わって右から中央へ入り込んでいた右MF岩下悠介(2年)が押し込んで追加点を奪った。

 攻める時間は多いが点を奪えないという苦しい展開になった大津だったが、古閑健士監督が「ハーフタイムには、シンプルにやろうと話した。特長のある選手が揃っているので、発揮してくれればやれると思っていた」と振り返った後半は怒とうの反撃を見せた。

 サイドからクロスを何度も供給。ルーテル学院の小野秀二郎監督が「2点差は危険。後半15分まで保てればと思ったけど……、走り負けた」と悔しがった後半16分、大津は右CKからCB吉村仁志(2年)がヘディングシュートをドンピシャのタイミングで決めて反撃開始。大崎のポストプレー、エースMF水野雄太(2年)の抜け出しに加え、続々と行った選手交代で前線に個性派を増やしていった。

 特に効果を発揮したのが、3年生のレフティーFW田崎魁星だ。ゴールへ向かうことしか考えないと言わんばかりのプレーで相手守備網を破壊した。後半31分、田崎のシュートで得たCKから折り返しをエース水野が頭で押し込んで同点。さらに33分、大崎のポストプレーから田崎が左足シュートを決めて逆転に成功する。最後は35分、左からのクロスを水野が流し込んで4点目を奪い、一気にトドメを刺した。

 終盤に活躍した田崎は、準々決勝の熊本学園大付高戦で後半アディショナルタイムに逆転弾を決めたラッキーボーイ。先発に3年生が2人しかいない下級生主体のチームの中で、切り札となりつつある。2試合連続となる決勝点を決めて「負けていたので、絶対に流れを変えてやろうと思ってピッチに入った。(3年生の意地は)いつも思っているし、試合で出せて良かった。僕には左足しか武器がないけど、他人と違う武器が大事。特長を生かせば勝って行けると思うし、これからも絶対に試合で出したい」と、さらに勝ち上がる力となることを誓った。

 決勝戦は19日にえがお健康スタジアムで行われ、大津は東海大熊本星翔高と対戦する。

(取材・文 平野貴也)
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