beacon

古豪・宜野湾復活、元日本代表FW我那覇を擁した世代以来19年ぶり全国へ:沖縄

このエントリーをはてなブックマークに追加

沖縄県代表は宜野湾高に決まった

[11.11 選手権沖縄県予選決勝 浦添高 0-2 宜野湾高 沖縄陸]

 第96回全国高校サッカー選手権大会沖縄県大会は11日、沖縄県総合運動公園陸上競技場で決勝を行い、宜野湾高が2-0で浦添高に勝ち、19年ぶり3度目の選手権出場を決めた。

 宜野湾は前半15分、MF運天ひかる(3年)がやや距離のある位置から直接FKを蹴ると、相手GK下地夏樹(3年)が目測を誤ったこともあり、そのままゴールイン。先制に成功すると、後半開始直後の2分には最終ラインのDF照屋孝佳(3年)がFW読谷山柚貴(3年)へパス。読谷山はドリブル突破から浦添のプレスをかいくぐると、最後はFW天久碧(1年)が冷静に沈め、全国をグッと引き寄せた。

 宜野湾は守っても「エースキラー」として進化し続けるDF平良淳(3年)を中心とする3バックが、スピードスターのFW西里恒則(3年)や、準決勝の小禄高戦でボランチながら2ゴール1アシストと活躍したMF屋比久海斗(3年)ら攻撃のキーマンをシャットアウト。今大会4試合で35得点を挙げる浦添攻撃陣を完全に沈黙させた。

 3バックはチームの核となっており、平田敦志監督も「攻撃的なディフェンダーというイメージ。DFの3人がどうゲームメイクできるかというところで平良と照屋、そして國仲洋秀(2年)が中盤にフリーな形でボールを受け渡すか。特筆した中盤はいない中、シンプルかつ丁寧にできればと思っています」と信頼を語った。

 その指揮官にとっても選手権にかける思いは強い。2年前に南風原高を率いてベスト4まで進出するも与勝高に敗れて全国への夢は叶わなかった。「あの時の南風原はとても良かったが負けてしまった」と今でも無念の思いを持っている。だからこそ「やりたいサッカーにこだわっても勝てるとは限らない。いろんな経緯がありながら自分もチームも経験値を積んで全国に行けることは大きい」と喜びもひとしおだ

 宜野湾はアンダーアーマーがチームをサポートしており、月に2、3回はドームアスリートハウスでトレーニングに励んでいた。また今年8月には福島県で行われたアンダーアーマーチャレンジ杯に出場。全国レベルのチームと対戦したことで明白な目標と課題を見つけることができた。

 また精神面でも夏から秋にかけて強さが増していった。宜野湾のエースFW与那嶺琉(3年)は沖縄県1部リーグで13ゴールを挙げ得点王争いに名乗り出てるが、プレーに波があり好不調がはっきりしていた。そんな中、選手権開幕の2週間前に腰を怪我し、痛みに耐えながらのプレーを強いられた。

「サッカー人生終わったと思いましたが、みんなが励ましてくれる姿を見て自分も周りを励ませられるぐらい楽しくやろうという気持ちになったし、チームのためにという気持ちが芽生え平常心でプレーできました」

 宜野湾の全国選手権出場は元日本代表FW我那覇和樹(現讃岐)らを擁した1998年大会以来となる。その時は初戦で新潟工高にPK戦で敗れたため、全国初勝利はお預けとなっている。あれから19年の月日が流れ、チームとしてそして沖縄の代表として全国にかける思いは優勝したことでさらに強くさせる。「県の代表として恥ずかしくない試合をしなければならないという思いが強い。そして2年後の沖縄で行われる南九州総体に向けていい形を残していきたい」(平田監督)。

 那覇西高の大会3連覇を阻み、決勝でも相手の長所を封じ込めて自分たちの良さを引き出した宜野湾のサッカーが全国の舞台で花開くか注目だ。

(取材・文 仲本兼進)
●【特設】高校選手権2017
★日テレジータスで「高校選手権」地区大会決勝を全試合放送!11/20(月)14時~運命の「抽選会」を生中継!

TOP