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[MOM2322]東海学園MF柴田大翔(2年)_走り回って頭もフル回転。DF出身の10番が値千金の先制ボレー

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貴重な先制点を挙げたMF柴田大翔(2年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.11 選手権愛知県予選準決勝 東海学園高 2-1 名経大高蔵高 パロ瑞穂]

 第96回全国高校サッカー選手権愛知県予選準決勝、東海学園高のMF柴田大翔(2年)が蹴り込んだ値千金の先制弾は、相手の名経大高蔵高には焦燥感を、味方には勝利への確信と勇気をもたらした。

 クロスボールにワンタッチボレーで鮮やかに合わせたファインゴールは「たまたま感がある」と笑って振り返るくらいのスーパーゴールだったが、ミートはともかくとして、その場所に入り込んで“いた”ことは決して偶然ではない。「DFの間が空いていたので、そこを狙って走り込んだ」のは、「スペースを見つけてランニングできるのが自分の長所」と語るとおりのファインプレーだった。

 ゴールシーンだけを切り取ればストライカーにも見えてくるが、中学時代から主にDFとしてプレーしてきた選手でもある。愛知県の国体代表でもCBやSBとしてプレーしていたが、鶴田道弘監督の決断で1年生の途中から攻撃的な位置へ配置転換を受けた。「いまでも(柴田に)CBをやれと言えば、やれると思う。ただ、(卒業後に)上のレベルへ行くことを考えると、どうしてもCBだと『その身長では難しい』と言われてしまう。だから前に置くことにしたんです」(鶴田監督)。

 最初は戸惑いもあったというコンバートだが、「身体能力が高いし、ボールも扱えるし、何より非常に頭がいい」(鶴田監督)という柴田は新しい役割を徐々に吸収。いまではすっかり“10番”が似合う選手に成長しつつある。もっとも、「別にどこでもやれると思いますよ」と鶴田監督が言うように、GK以外ならどこでもフィットしそうなオールラウンドプレーヤーになったという言い方のほうが適切かもしれない。

 準決勝でもDF出身の10番“らしさ”を見せた。守備に回ったときは名経大高蔵のキーマンである主将のMF牛尾颯太(3年)を厳重にマンマーク。「(牛尾は)縦パスが怖い選手だったので、とにかくいいパスを入れさせないように意識した」と心中覚悟でそのプレーの封殺に注力。その上で攻めに転じれば動き出すということを繰り返したため、「走り回った上に頭もフル回転して、本当に疲れました」と言うが、にこやかに振り返る様子は攻守でやり切ったという充実感に充ち満ちていた。

(取材・文 川端暁彦)
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