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“不協和音”のベルギーを警戒するハリル「不満が逆に力になるかもしれない」

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公式会見に出席したバヒド・ハリルホジッチ監督

 14日の国際親善試合でベルギー代表と対戦する日本代表は13日、ベルギー・ブルージュにある試合会場のヤン・ブレイデルスタディオンで公式練習を行った。練習前にはバヒド・ハリルホジッチ監督が公式会見に出席。ベルギー戦に向けては「2人、3人入れ替える可能性がある」と、スタメン変更を示唆した。

 前日12日の紅白戦ではFW久保裕也、MF長谷部誠に代わってFW浅野拓磨、MF長澤和輝が主力組に入っていた。10月のキリンチャレンジ杯2試合では先発9人を入れ替えたが、「この前の試合(ブラジル戦)から10人入れ替えてベルギーのような質の高いチームと戦えば、大きなリスクが伴う。いくつかの変更は行うと思うが、ハイチ戦のように大きく入れ替えることはない」と、最低限の変更にとどめる考えを示した。

 ベルギーについては「今現在、世界で最も良い選手のそろっているチームの一つ」と強調。その一方で、かつて自身が現役時代にプレーした旧ユーゴスラビア代表を引き合いに出し、チームとしての組織力にはまとまりを欠いているとも指摘した。

「私は旧ユーゴも知っている。個人として質の高い選手がそろっているチームで、強いチームになる可能性があるチームだった。しかし、そのためには選手が補い合い、仲間意識を持って戦わないといけない。ベルギーのチームの内部のことは分からないが、ベルギーは長年、非常に個人の能力が高いチームでありながら、何のタイトルも取っていないという状況がある。試合の中を見ても10分間、15分間、質の高い攻撃を見せたと思えば、弱点を見せたり、少し消えてしまったりする時間がある」

 アルジェリア代表を率いて出場した14年ブラジルW杯ではグループリーグ初戦でベルギーと対戦。先制しながら、後半25分からの2失点で惜しくも逆転負けした。その経験も踏まえ、「(ベルギーは)どのチームと対戦しても勝つ可能性のあるチームだ。しかし、いわゆる弱小と呼ばれるチームと対戦しても負けることのあるチームだ」と、付け入る隙はあると考えている。

 ベルギーは10日の国際親善試合でメキシコと対戦し、3-3の引き分けに終わった。3バックのシステムは時間帯によっては5バック気味になるなど、守備に安定感を欠き、選手からも守備的な戦術に不満の声が挙がっている。

 それでも「聞いたところによると、メキシコ戦のあとにいろんな議論が沸き起こっている状況のようだ。しかし、それが不満につながっているなら、逆にそれが日本戦の力になるかもしれない」と警戒する指揮官は「力強いベルギーと対戦することを想定して準備しないといけない」と力説。FIFAランキング5位の強豪国とのテストマッチに向け、「我々の長所、弱点がさらに見られる試合になる。どの方向に向かって進歩、進化すればいいのか分かる試合になる」と位置付けた。

(取材・文 西山紘平)

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