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[MOM2325]草津東MF上野広人(3年)_「何が何でも結果を残したかった」。意地の劇的V弾で3年ぶり全国に導く

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劇的な決勝点を決めた上野広人(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.18 選手権滋賀県予選決勝 近江高 0-1 草津東高 皇子山陸]

 試合は表示されたアディショナルタイム2分に差し掛かろうとしていた。後半は押し込みながらも、ゴールを奪えないでいた草津東高だったが、後半から投入されたMF上野広人(3年)は最後の最後までゴールを狙い続けていた。

 左スローインの展開から、MF山本佳輝(2年)の左クロスをファーサイドでFW渡邉颯太(1年)がドンピシャヘッド。ボールはバーを叩いたが、「絶対にゴール前にこぼれて来ると思った」と渡邉の背後にいた上野はボールウォッチャーになることなく、ゴール前へダッシュ。こぼれ球にいち早く反応して左足シュートを放つと、一度はGKに足で阻まれたが、こぼれ球を左足で右サイドネットに突き刺した。

 仲間達が陣取るバックスタンドへガッツポーズをしながら猛然とダッシュをしている瞬間、主審から試合終了のホイッスルが鳴らされた。まさにラストプレーによる劇的な幕切れとなった。

 試合後、「僕ら3年生が意地を見せたかった」と語ったように、最後まで気迫を持ち続けた結果の決勝弾だった。上野は春先までレギュラーだったが、怪我で離脱中に2年生MF橋本卓成が台頭し、復帰をしてもレギュラーから外されることが多くなった。それでも橋本と熾烈なレギュラー争いをして来たが、今大会は橋本がスタメンを勝ち取っていた。

「最後の1年だし、本当に悔しい思いがあった。でもそれは結果を残さない自分のせい。途中出場の際に小林監督から『ゴール前に絶対にボールがこぼれてくるから、それを狙え』と言われていて、ずっと狙っていた。何が何でも結果を残したかった」。

 草津東は3年ぶり9回目の出場となり、今年のチームにとって初めての選手権となる。「今年のチームはいろんな選手が出場して来た。絶対的な柱がいないけど、その分、競争は激しくなった」と小林監督が語ったように、上野の意地のゴールは3年ぶりの選手権に向けて、再び熾烈なレギュラー争いが始まる号砲でもあった。

(取材・文 安藤隆人)
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