beacon

西京に2点差追いつかれるも…「最悪の想定していた」高川学園が延長戦で底力みせて連覇:山口

このエントリーをはてなブックマークに追加

延長戦を制した高川学園が2年連続24回目の出場を決めた

[11.18 選手権山口県予選決勝 高川学園高 3-2(延長) 西京高 維新公園]

 第96回全国高校サッカー選手権山口県予選決勝が18日に行われ、高川学園高西京高を延長の末に3-2で下し、2年連続24回目の出場を決めた。

 6月のインターハイ予選では準決勝で対戦し、高川学園が延長の末に2-0で勝っているカードの再戦。そのときは0-0で延長にもつれ込んだが、この日は立ち上がりからスコアが動いた。前半9分、高川学園はエリア外すぐのゴール正面左寄りでFKを得ると、左SB浜下光輝(3年)が右足で直接シュート。「壁を越えれば入ると思った。イメージ通り」と振り返るキックは、西京の8人の人壁を越えながら曲がって落ち、ゴール左に鮮やかに決まった。

 先制した高川学園は、その後も持ち味であるピッチを幅広く使った攻めで押し気味に進め、前半26分に追加点を奪う。MF長廣洸大(3年)の強烈なミドルシュートを西京GK岡崎隆雅が弾いたこぼれ球に素早く反応したFW土信田悠生(3年)が蹴り込み、リードを広げた。

 その後も高川学園が何度かゴールに迫るシーンを作ったが3点目は生まれず、2-0で折り返した後半は一転して西京が主導権を握る。主将のMF宗野裕斗(3年)を起点としたパスワークでボール支配率を高め、2列目、3列目の押し上げも活発になって敵陣で試合を進める時間が増えた。その攻勢が実ったのは14分。MF藤谷直哉(3年)のロングパスから右サイドを抜け出したFW柿野功太(3年)の折り返しを、MF岡原大樹(3年)が蹴り込んで1点差とする。

 これで勢いが増した西京に対し、高川学園は江本孝監督が「もう1点欲しくて取りにいこうとしたけれど、攻守の切り替えの遅さとか、ちょっとしたところでうまくいかなかった」と振り返ったように、思うようにチャンスを作れない。対して西京は残りわずかとなった後半36分、エリア外中央でパスを受けた宗野が、利き足の左足で鮮やかなミドルシュートを突き刺し、ついに同点に追い付いた。

 そのまま2-2で後半を終え、10分ハーフの延長戦へ。ここで最初にビッグチャンスを得たのは西京だった。延長前半7分、宗野の左からのセンタリングを岡原がヘッド。決まったかと思われたシュートは左ポストに当たり、はね返りに詰めた柿野もオフサイドで逆転はならなかった。

 その後は一進一退の攻防が続いたが、先に得点を奪ったのは高川学園だった。延長後半4分、右CKが流れ、西京がカウンターに出ようとしたところで浜下がインターセプトし。そのままシュート性のボールをゴール前に送り、土信田がヘッドで合わせて勝ち越し。結局これが決勝点となり、高川学園が激闘を制して2年連続出場を決めた。

 西京は前半の劣勢をはね返し、4年ぶり3回目の出場に迫ったが、インターハイ予選に続いて延長の末に高川学園に惜敗。「インターハイ予選のときは相手を意識し過ぎて、相手に合わせるサッカーになってしまい、自分も選手も不完全燃焼だった」という渡邉修身監督は、「でも今日は、ボールを動かしながら相手のズレを突いていくという、自分たちが志向してきたサッカーが、少しはできたのではないか」と語り、「選手たちを褒めてあげたい」と、見事な巻き返しを見せたチームを称えた。

 高川学園は、あわや逆転負けという苦しい試合だったが、江本監督が「常に最悪の想定はしていて、追い付かれたら、逆転されたらどうするか、といったことは話していた。最後はやってくれると思っていました」と語ったように、ぎりぎりのところで底力を見せて勝ち切った。2014年の江本監督就任後、インターハイも含めて全国大会では1回戦突破が最高成績だけに、2回戦突破、さらに上位進出を見据えて、本番までにさらなるパワーアップを目指す。

(取材・文 石倉利英)
●【特設】高校選手権2017
★日テレジータスで「高校選手権」地区大会決勝を全試合放送!11/20(月)14時~運命の「抽選会」を生中継!

TOP