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「もっと強く、もっと上手く……」。力出しきれずに敗退した静岡学園は次の目標へ

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静岡学園高は涙の敗退。選手たちは次の目標へ向けて一歩を踏み出す

[11.18 選手権静岡県予選決勝 清水桜が丘高 1-1(PK4-3)静岡学園高 エコパ]

 “静学らしさ”を出し切ることができなかった。今夏のインターハイ16強の静岡学園高は、序盤から丁寧なパスワーク。長めのボールを多用するのではなく、ショートパスを繋ぎ続けて清水桜が丘高を押し込んだ。

 そしてセットプレーや左SB東山達稀(3年)の突破などからゴールへ迫ると、前半30分にMF渡井理己主将(3年、徳島内定)が圧巻の4人抜きゴール。エースのスーパーゴールによってリードを奪ったものの、前半アディショナルタイムに不用意なパスミスから一気にシュートまで持ち込まれ、最後はこぼれ球をFW松永颯太(1年)に押し込まれてしまった。

 追いつかれた後の後半もボールを握っていたのは静岡学園の方だった。ゆっくりと繋いでサイドまでボールを運んでいたが、攻撃をスピードアップする前に相手に寄せられて攻め切ることができない。渡井理は「仕掛けてクロスだったり、シュートが少なかった。それが増えていれば怖い攻撃もできたし、チャンスも増えたと思う」と首を振る。
 
 試合を通して仕掛けの回数が少なかった。前半から幾度か清水桜が丘のカウンターを浴びていたことが選手たちの心理に影響したのか、CBの攻撃を組み立てる位置が低く、ボランチもリスクのない選択をするシーンが増えてしまっていた。本来ならばウイングの役割をする両SBの攻撃参加も少なく、相手の懐に切れ込むようなシーンはわずか。こだわってボールを繋ぎ続けた一方で“静学らしい”アタッキングサッカーを展開できたとは言い難い試合だった。

 PK戦での敗退によって、最大目標の選手権で躍動することはできなくなった。それでも、チームは現在プリンスリーグ東海で3位につけ、2位以内がチケットを獲得するプレミアリーグ参入戦進出の可能性をまだ残している。渡井は「今3位なのでプレミア参入戦行けるように最後3節勝って行けるようにしたい」。残り3試合で2位・磐田U-18と勝ち点差4。状況は難しいが、諦めずに戦い抜く。

 将来、上を目指す選手たちは悔しい敗戦から切り替えて、また努力していかなければならない。川口修監督の言う「向上心を持って、もっと強く、もっと上手くなると思いながら」選手は次の一歩を踏み出す。

(取材・文 吉田太郎)
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