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[MOM2330]初芝橋本FW細川琢未(3年)_持ち味いかした延長V弾!途中出場から期待に応えた「能力の高い子」

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延長後半2分に決勝点を決めたFW細川琢未(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.18 選手権和歌山県予選決勝 初芝橋本高 3-2(延長)近大和歌山高 紀三井寺陸]

 試合後、しばらくしてからも「自分が決勝ゴールを挙げられたという実感が全然なくて。帰ってから動画か何かを見てからでないと、実感を持てないような気がする」と、はにかみながら話したのは、決勝点を決めた初芝橋本高FW細川琢未(3年)だ。

 総体予選の結果からシード権を得た初芝橋本の初戦となった3回戦・那賀戦(3-1)を最後に、スタメンではなく“途中出場の選手”になっていた。その試合の前半に1得点を挙げてからは得点できておらず、「途中からでも前線の選手として毎試合出場させてもらっているのに、ゴールできていない」ことに心苦しさを感じていた。

 これまでスタメン起用してきた細川を交代要員としていることについて、阪中義博監督は「能力の高い子だから」と簡潔明瞭に説明。「途中で試合に入っても、十分なパフォーマンスを発揮できる。彼はゴール前での競り合いにも強いし、『どんなボールでも来い、俺がなんとかしてやる』というタイプの選手。ボールをサイドから中に入れた時やセットプレーの時、きっと何かやってくれるだろうという気はしていた」と評価してのベンチスタートだった。

 その細川がピッチに入ったのは、後半序盤の11分。2-0から近大和歌山高に1点を返された後だった。そして、2-2と追いつかれて迎えた延長後半2分、細川が指揮官の期待に応えた。「自分はチーム内の他の選手に比べて足元の技術は高くない。でも、スピードやジャンプなどの身体能力には自信を持っている」という強みをいかし、CKからゴール前に入ってきたボールをジャンプして右足を合わせ、見事な決勝ゴールを挙げた。 

 昨年の準決勝でも途中起用されたが「緊張して何もできなかった」ことに悔しさが残っている。今年は自分らしいプレーができた上に優勝に貢献できたことは「良かった」としたが、全国大会に向けてチーム内での競争が再び始まることにすでに危機感を持っている。

「まずはメンバーに入ることを目指し、練習に励みたい。試合に出ることができれば、得点するチャンスも必ずくるということだから」と、謙虚な姿勢ながら力強い意気込みを語った。「たとえ、きれいなゴールでなくても、ゴールはゴール」。全国の舞台でもチームのために体を張り、貪欲にゴールを狙い続ける。

(取材・文 前田カオリ)
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