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[関東]最多勝&最多勝ち点更新の“史上最強V” 筑波大が順天堂大に競り勝ち完全優勝!!

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筑波大が“史上最強優勝”を達成した

[11.19 関東大学1部L第22節 筑波大3-2順天堂大 味フィ西]

 第91回関東大学サッカー1部リーグの最終節にあたる第22節2日目が19日に味の素フィールド西が丘で行われた。すでに優勝を決めている筑波大順天堂大に3-2で勝利。勝利数、勝ち点で歴代記録を更新する“史上最強”の優勝を決めた。

 “優勝決定戦”の期待もあった筑波大と順天堂大の最終節直接対決だが、前節、順天堂大が引き分けたことで勝ち点差は4に広がり、筑波大の13年ぶり15度目の優勝が決まっていた。

 しかし筑波大は、2008年に流通経済大が記録した16勝、そして勝ち点52の更新がかかる一戦とあって、モチベーションを高く保っていた。小井土正亮監督からも「史上最強のチームになるんだ」ということを強く言われていたという。 

 先制は順天堂大だった。前半10分、中央をドリブルで突破したFW旗手怜央(2年=静岡学園高)がエリア中央から豪快に蹴り込み、スコアを動かした。

 ただそんな順天堂大にアクシデント。左ゴールライン付近の競り合いの際にDF原田鉄平(4年=静岡学園高)が、古傷もある右足を負傷。トレーナーからはすぐに交代のサインが出され、前半40分にDF毛利駿也(4年=山梨学院大高)が急きょピッチに立った。

 この混乱を突くかのように、筑波大が一気に試合をひっくり返す。前半43分にはMF三笘薫(2年=川崎F U-18)のシュートはGKに弾かれたが、MF西澤健太(3年=清水ユース)が詰めて同点に追いつくと、同45分には西澤の右CKをDF鈴木大誠(3年=星稜高)が頭で合わせて、逆転に成功した。

 だが次の得点を奪ったのは順天堂大だった。後半9分、右サイドからの浮き球スルーパスでエリア内に抜け出した旗手が右足ダイレクトでニアを抜き、再びスコアをタイに戻した。

 次に動きを見せたのは後半13分、三笘の鋭いドリブル突破がエリア内で相手のファウルを誘ってPKを獲得。だがこれを歴代最多得点記録更新の期待がかかるFW中野誠也(4年=磐田U-18)が蹴るが、GK佐藤久弥(1年=東京Vユース)に完璧に止められてしまう。

 しかし勝ち越し点を奪ったのは筑波大だった。後半33分、右サイドを抜けたMF松村遼(4年=國學院久我山高)が中央に折り返すと、西澤が右足を一閃。左にいた中野にDFが引き付けられるのが分かったという冷静な判断から振り抜かれたシュートは、糸を引くような弾道で、ゴール左隅に突き刺さった。

 最後まで優勝を争った順天堂大を下しての前期後期完全優勝。勝ち点は54、勝利数は17。失点数17は2006年の明治大と並ぶことになったが、史上最強優勝に間違いはない。

 先制点の起点となるなど、コンディションの良さを随所に見せていた三笘が「順天さんに勝たないと優勝じゃないとメンタル的に思っていた。今日勝てたのは非常に大きい。自信になった」と振り返れば、今季初ゴールを決めたDF鈴木大誠(3年=星稜高)も「歴史のある筑波大で新たな歴史を作れたことはモチベーションになる。自分が新しい歴史を作ったと思うとすごく光栄に思う」と胸を張っていた。

(取材・文 児玉幸洋)
●第91回関東大学1部L特集

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