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44年ぶりの全国まであと一歩…浦和西は来年、復活Vに再挑戦:埼玉

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後半30分、浦和西高FW高橋岬生が右足で同点ゴール

[11.19 選手権埼玉県予選決勝 昌平高 2-1 浦和西高 埼玉]

 賞賛に値する80分間。浦和西高は全国大会でも優勝争いに加わるであろう、県3冠王者の昌平高を十分に苦しめた。だが、44年ぶりの全国にはわずかに手が届かなかった。

 今年、浦和西は2月の新人戦で8強入りすると、関東大会予選で4強。そしてインターハイ予選では準優勝して30年ぶりとなる全国出場、そして全国1勝も果たした。市原雄心監督が「優勝しかないと言ってきた」という選手権予選では3連覇を狙った正智深谷高、浦和東高と強豪校を連破して決勝進出。その決勝では指揮官も「プラン通りだった」と振り返る戦いを見せる。

 相手にボールを握られることは覚悟の上。守備ブロックを構築し、相手の縦パスやドリブルに対しては1ボランチのMF田中隆太郎主将(3年)やCB福世航大(3年)、CB野口智弘(3年)が強度ある守りでボールをもぎ取り、決定打を打たせない。守るだけになることなく、強力アタッカー陣が前への怖さも示す。先発起用されたMF楮本颯(3年)が鋭い仕掛けを見せれば、最前線のFW森喜紀(2年)が起点となってチャンスメーク。10番MF遠藤寛紀(3年)が前後半に1度ずつ決定的なシュートを放つなど、昌平ゴールを脅かして見せた。

 後半13分にFKから先制点を献上したが、その後積極的に選手を入れ替えながら反撃。そして30分、交代出場のMF唐牛七海(2年)が右サイドでDF2人の間を突破。PAへ切れ込むと、こぼれ球に反応したFW高橋岬生(3年)が豪快な右足シュートをゴール右上へ叩き込んだ。

 一気にスタンドのボルテージが高まる。だが、ここで生じてしまった一瞬の隙。相手にドリブルで切り込まれると、ゴール前でDFがかわされて勝ち越されてしまう。得点から5分以内は警戒を強めることを徹底してきたというだけに、市原監督はこの決勝点となった1点を非常に残念がっていた。

 浦和西は66年度に選手権で全国制覇し、翌年も全国3位。その古豪は「新しい時代をつくっていきたい」という指揮官、3年生たちが中心になって歴史を塗り替えた。この決勝戦で勝つことが、復活を周囲に認知させるためには重要だっただけに、悔しい敗戦だ。だが、「3年生がいろいろな経験をさせてくれた」(市原監督)中で、自分たちもできることを肌で感じた2年生、1年生たちが必ず来年、激戦区・埼玉で再び決勝まで勝ち上がり、次はこの舞台で勝利する。

(取材・文 吉田太郎)
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