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運命めいた選手権開幕戦…“2年連続”の関東一と“志願”の佐賀東が激突!!

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開幕で対戦することになった関東一高小野凌弥主将(左)と佐賀東高江頭弘太主将(右)

 2年連続となる高校選手権開幕戦――。再び12月30日に駒澤陸上競技場を舞台に戦う権利を得たのは、2年連続2回目の出場となる関東一高(東京B)だ。「チームメイトから、『去年開幕戦をやって素晴らしいところだったので、ぜひ引いてくれ』と言われていたので、ホッとしました」。自らの手で開幕のカードを引き当てたDF小野凌弥(3年)は、抽選会の緊張から解放されたことも相まって安堵の表情を浮かべた。同校の小野貴裕監督も「2年連続で開幕戦をやれることはなかなかないので、ありがたいと思っています。ネガティブにとらえていない」と待ち遠しい様子だ。

 関東一高にとって初めての選手権となった昨年度。小野は野洲高(滋賀)との開幕戦に先発、27番を背負った2年生は右サイドバックとしてフル出場をはたし初戦突破に貢献した。続く正智深谷高(埼玉)戦では、1点リードの後半17分から出場。しかし、終了間際に同点、アディショナルタイムに逆転を許し涙を呑んだ。「本人も1年越しでちゃんと戻ってこれたので、すごくいいと思います」と、指揮官は堅守を支えるCBに期待を寄せる。

 夏の総体には3年連続で出場している関東一高だが、そのすべてで千葉代表である市立船橋高に屈している。たらればの話になるが、関東一高が2回戦に進出したら、その相手は千葉県代表対大分西高の勝者。千葉県代表が1回戦で勝利すれば、関東一高との対戦が待っている。千葉県の代表校が決定するのは今週23日、市立船橋高対流通経済大柏高の勝者となる。「(組み合わせを)見た瞬間にこれは『運命だ』と思った」。自身にとっては2度目となる対戦の可能性に語気が強まった小野だが、すぐに緒戦へと目を向ける。「去年に引き続き、しっかりと1回戦を勝って、関東一高の生徒全員で喜べるように」。地の利を活かして、2年連続での開幕戦勝利を誓う。

「佐賀出てくるときは、気合い入れて『開幕戦引いてくる』」そう意気込んで選手権抽選会に臨んだ佐賀東高(佐賀)のMF江頭弘太主将(3年)。蓋を開けてみれば、関東一高との開幕カードとなる「10番」を引き当ててみせた。「本当に引くと思ってなかったです(笑)」そう言って高校生らしい満面の笑みを見せた江頭は「小学校6年生のときに埼玉スタジアムでプレーしたことがあって、そのときは大観衆の前だったんですけど、今回は選手権だし開会式の後なのですごい楽しみです」と大舞台を待ち望む。

 初陣となる2回戦で鵬学園(石川)を攻撃的なサッカーで4-0で一蹴した昨年度。同校初となる3回戦では2回戦を6-0で突破した滝川二高(兵庫)との対戦となったため、どちらの攻撃力が上か、に注目が集まっていたが、滝川二高に5点を奪われて大会を去った。滝川二戦に後半開始から出場し、選手権デビューをはたした江頭は「何もできなかったというのが印象がある」と1年前の悔しさを吐露する。

「ポゼッションしながらドリブルとパスを組み合わせるスタイル」で2年連続となる選手権への切符をつかんだ。佐賀県予選の5試合すべてで得点を決めてきた江頭は「『攻撃は最大の防御』と言いますけど、攻撃しているときが一番楽しいので」と再び笑みを見せる。「1年間、積み上げてきたものがあるので、去年以上の成績を出るように。まずは開幕戦、注目を浴びていると思うので、そこでいいプレーができたらいいと思っています」。10回目の出場を数える佐賀東高のキャプテンは、不敵に笑った。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 奥山典幸)
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