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埼玉4冠の昌平とプリンス中国首位の広島皆実が1回戦で激突!悔しい思いしてきた実力派2校による注目対決に

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がっちりと握手する昌平高DF石井優輝主将(左)と広島皆実高MF大石謙介主将。(写真協力=高校サッカー年鑑)

 12月30日に開幕する第96回全国高校サッカー選手権。1回戦の注目カードとなりそうなのが、前評判高い昌平高(埼玉)と08年度日本一の広島皆実高(広島)との一戦だ。

 昌平は今年、激戦区・埼玉で4冠を達成。現在、県1部リーグでも首位に立っており、埼玉5冠の可能性がある。今年は6月の関東大会でも優勝。チームは大宮内定のFW佐相壱明(3年)を擁しているほか、MF山下勇希(3年)、CB石井優輝主将(3年)らが繰り出すポゼッションなどの多彩な攻撃、安定した守備のいずれもレベルが高く、優勝候補の一角としても注目される高校だ。

 一方、こちらも激戦区の広島県予選で5連覇を達成した広島皆実は、現在プリンスリーグ中国で首位の強豪だ。昨年の経験者であるMF藤原悠汰(3年)や球際強いプレーが特長のMF大石謙介主将(3年)らがチームを牽引。ともに昨年、広島県選抜の一員として国体日本一に輝いているMF堤太一(2年)とFW森内幸佑(2年)、広島県予選決勝で決勝ゴールを決めたFW岡本拓海(1年)ら1、2年生の台頭もあり、勢いがある。

 ともに今年は悔しい思いを経験して選手権の全国舞台へと勝ち上がってきた。昌平はV候補の一つとして注目されたインターハイ初戦で日大藤沢高(神奈川)に逆転負け。「優勝候補と言われていた事で先を見すぎて、目の前の試合に全力を注げなかった」(石井)という敗戦を機にチームはプレー、声、小さなことから変えようと取り組み、力を高めてきた。

 埼玉県予選はライバルたちのターゲットとなる中、堂々の内容で優勝。そして、日本一に再挑戦する選手権は強敵との初戦となった。組み合わせ抽選会に出席した石井は「(広島皆実は)優勝経験のあるチームなんですけれども、自分たちのモチベーションになりますし、全力でぶつかっていけたら、そして自分たちの力が全て出せたら勝てる相手だと思っているのでいい準備をしたいです」。2回戦で3連覇を狙った東福岡高を破り、ベスト4まで勝ち上がった昨年のインターハイのように、強豪からの白星で勢いをつける。

 一方の広島皆実も今年、悔しい思いをしてきたチームだ。県新人戦で準々決勝敗退。4連覇のかかったインターハイ予選はまさかの2回戦敗退となった。大石は「負けた要因として技術面の不足とかあると思うんですけれども、チームの意識統一ができていなかった。気持ちの持ちようも違って本当の自信を持てていなかった」と振り返る。

 ミーティングから意識を一つにしていくことに務め、連係面も向上。悔しさを強い気持ちに変えて戦い、結果に繋げることができた。また、大石は「(結果が出なくても)バッシングとか全くなくて、『選手権取るために頑張れ』と言ってくれて頼もしい先輩たちがいるから今の自分達がある」と振り返る。周囲の支えもあって掴んだ選手権切符。それだけに大石は「(今年のチームは夏に)負けたので勝ちたいという執念が強い。(昌平戦は)好カードと言われていますし、良い準備がしたい。偉大な先輩たちがいて、今の自分達があるので先輩たちに恥じないようなプレーをし、(日本一を獲得した)あの先輩たちのような、見ている人に感動を与えるようなプレーをしていきたい」誓った。

 ともに悔しい思いを経験し、それを逞しく乗り越えてきた両校。1回戦の注目カードとなる一戦は、12月31日にNACK5スタジアム大宮で開催される。

(取材・文 吉田太郎)
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