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長崎総附は3年前の“再戦”に、当時中3だった田中主将「真っ先にリベンジだなという想いが…」

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リベンジマッチへの意気込みを口にした長崎総合科学大附高の田中純平主将(写真右)

 U-18日本代表FW安藤瑞季(3年)ら多くの有望選手を擁する長崎総合科学大附属高(長崎)は、12月31日の1回戦で中京大中京高(愛知)と戦うことが決まった。この対戦は奇しくも、現在の3年生が入学を間近に控えた3年前の1回戦と同カード。当時は中京大中京が勝利しており、長崎総科大附にとっては“リベンジ”を期して臨む一戦となる。

 20日に東京都内で行われた組み合わせ抽選会には、長崎総科大附の田中純平主将(3年)、中京大中京の本山遊大主将(3年)がそろって出席。くじ引きで対戦が決まった瞬間、2人の脳裏には2014年12月31日に行われた“あの試合”が浮かんでいたという。当時2人は中学3年生。すでに進路は決まっており、翌春からの新生活に夢と希望を抱きながら、地元のテレビ画面で先輩たちの戦況を見守っていた。

 試合は後半10分に先制した中京大中京がリードを守り切り、1-0で競り勝つ形で終わった。「(長崎総科大附は)前線の推進力があったけど、現在も練習参加に来てくれる先輩方が勝つ姿を見ていた。勝つイメージはできているし、負ける気はしないですね」。中京大中京の本山主将は、3年前の歓喜を再現しようと意気込んでいる。

 一方の長崎総科大附には、安藤の兄であるFW安藤翼(現・駒澤大)が決定的なシュートを阻まれ、優勝候補に挙げられながら1回戦敗退に終わるという悔しさが残っている。「翼さんが魅せるプレーを発揮していたのに、勝ちにはつながらなかった。一瞬のスキを与えたら全国では通用しないと強く感じたのを覚えています」(田中)。だからこそ、対戦が決まった瞬間に「真っ先に『3年前のリベンジだな』という想いがこみ上げてきた」という。

 また、長崎総科大附の現メンバーにとっては前回大会の悔しさも力になっている。昨年度は県予選から無失点を続けながら、2回戦で鹿児島城西高にPK戦で敗退。「勝負の厳しさを教えられた。自分たちもそんな勝負の舞台で勝ち切ることができたら、これまで1年間積み重ねてきたことが良かったんだと思える」(田中)。練習後には左右のコースを限定したPK練習に欠かさず取り組むなど、細部まで“勝負”にこだわる意識を高めてきた。

 もっとも、現状の課題と向き合い、全国までの1か月余りで成長する必要性も感じている。予選決勝では長崎日大高に延長戦まで持ち込まれ、終盤にようやく決まった田中のゴールで辛勝。国見高を率いて全国選手権6度の優勝経験を持つ小嶺忠敏監督から「県で苦戦するようじゃ全国では通用しない」と告げられ、「もっと改善しないといけない」と謙虚に前を向いている。

 トーナメント表では前回優勝の青森山田高、総体上位の強豪校が勝ち残る千葉県代表と近いブロックに入ったが、目指す場所は一つ。「日本一になることを目標に総附(長崎総科大附)に入ってきた。自分たちにとっては選手権がラストチャンス。3年間の集大成で活躍したい」(田中)。何度も期待を寄せられながら、手が届かなかった頂点にたどり着くため、まずは初戦で3年前のリベンジを果たす。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 竹内達也)
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