beacon

[MOM2336]市立船橋DF杉山弾斗(3年)_主将の一振りが反撃の合図! 最後は足がつるまで走り切る

このエントリーをはてなブックマークに追加

足がつるまで走り切り、DF岡井駿典(2年)に背負われたDF杉山弾斗(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.19 選手権千葉県予選準決勝 八千代高1-2市立船橋高 柏の葉]

 来季からジェフユナイテッド千葉への加入が決まっている主将の一振りが試合の空気を一変させた。市立船橋高DF杉山弾斗(3年)は1点ビハインドで迎えた前半32分、自らの持ち場と反対の右サイドに攻め込み、PA角から左足を一閃。鋭いシュートをサイドネットに突き刺すと、スタンドは大きくどよめいた。

 5年連続の決勝進出を狙った市立船橋は八千代高との準決勝、前半16分にスローインからの流れで左サイドを崩され、MF正田稜(3年)のダイレクトシュートから失点してしまう。それでも「立ち上がりが良くなかった」という序盤の反省から、「慌てないで戦おうという話になった」(杉山)と全体で意思を共有。すると、思いのほか早く、自らのシュートで同点に追いつくことに成功する。

「あの場面では中に人数が少なくて、スペースを埋めなきゃいけないと思った」。左ウイングバックで先発していた杉山は、自らの判断で中央に猛進。そのまま右サイドに流れると、いったんは行き詰まったかと思われた状態からパスを受け、「狙いどおりのコースでした」と胸を張るシュートを放った。

 このゴールには朝岡隆蔵監督も「あれはスーパーシュートだね」と脱帽。「あそこでずるずる行っていたらキツかった」という状況の中で、「向こうが1点を取ったことで受けに回ってくれて、ウチは前に行こうというところで思い切って行って点が取れた」という理想的な展開をつくりだした。

 杉山のゴールで勢いを付けた市立船橋は前半アディショナルタイム、MF金井満生(3年)の浮き球スルーパスからFW福元友哉(3年)がボレーでたたき込み、一気に逆転することに成功。「1点が入ったことで状況が好転して、流れに乗れた。しっかりチャンスを生かせたので逆転できた」(杉山)と胸を張った。

 後半は「集中を切らさずに、立ち上がりをしっかり入ることを話した」という選手たちが、八千代の攻撃をシャットアウト。終盤には「最後の最後まで何が起こるか分からないので」と相手のボールホルダーに何度も何度もプレッシャーをかけ、足がつった状態でタイムアップの笛を迎え、DF岡井駿典(2年)に背負われる形で整列に向かうほどの奮闘っぷりだった。

 決勝の相手は夏の県総体決勝で敗れた流通経済大柏高に決まり、5大会連続で同カードとなった。総体の結果については「意識することはあまりない」としながらも、全国行きの“1枠”を争う一戦に負けるわけにはいかない。「どんな選手が出ても球際の部分、戦いの部分はレベルが高い。個人としても負けないように、自分のサイドは制圧しないといけない」と意気込んでいる。

(取材・文 竹内達也)
▼関連リンク
●【特設】高校選手権2017
★日テレジータスで「高校選手権」地区大会決勝を全試合放送!ライバル校、注目選手を要チェック!!

TOP