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「きついね、あそこは…」浦和FW興梠、守備に走った“得点源”

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浦和レッズFW興梠慎三

[11.25 ACL決勝第2戦 浦和1-0アルヒラル 埼スタ]

 前線で体を張るだけでなく、終盤にはサイドハーフの位置で守備に奔走した。試合終了のホイッスルが吹かれてアジア王者に輝いた浦和レッズFW興梠慎三は、「個人的にはこれを取ってコンプリートできた」と笑顔を見せた。

 1トップの位置に入った興梠は、果敢に相手DFとの肉弾戦に挑んでボールを収めようと奮闘したが、「相手も激しいプレスに来ていて難しい部分もあった。もうちょっと前でキープできれば良かった」と振り返ったように、なかなか攻撃のリズムを生み出せずに自身のシュートはゼロに終わった。

 しかし、後半途中から堀孝史監督の判断で左サイドハーフの位置に入っていたFWラファエル・シルバとポジションチェンジ。「守備が行けていなくなっていたので、俺が頑張ろうと思った」。時には最終ラインまで戻って守備をこなし、体を投げ出して相手のクロスをブロックするなど勝利への執念を見せた。だが同39分にFWズラタンと交代する際には腰を落としたように、普段とは異なるポジションでのプレーは体力の消耗も激しかったようで、「きついね、あそこは。あそこで下がって、よく前に行けるなと。俺は絶対行けないですよ」と苦笑したほどだった。

 後半43分に最前線に位置を移したR・シルバが豪快な決勝点を奪い、1-0の完封勝利を収めたチームは、10年ぶりにアジアの頂点まで登り詰めた。「大きな大会だし、タイトルを獲るのは難しいけど、それをレッズで取れたのは非常にうれしい」と喜びを爆発させつつも、ここが終着点ではないと強調。「これに満足せずに、もっともっとタイトルを獲らないといけない。来年はACLの出場がないけど、この舞台は素晴らしかった。来年はJリーグで優勝して、またこの舞台に戻ってきたい」と視線を前へと向けた。

(取材・文 折戸岳彦)
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