beacon

[MOM2342]桐蔭学園MF金子大樹(3年)_キックで魅せて、戦うMF.。感謝の思いを込めてあと1勝

このエントリーをはてなブックマークに追加

後半4分、桐蔭学園高はMF金子大樹が右FKで4点目のゴールをアシスト

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.25 選手権神奈川県予選準決勝 桐蔭学園高 5-1 湘南学院高 ニッパ球]

 桐蔭学園高は個々の技術力の高さが印象的だったが、この日は特にMF金子大樹(3年)のプレーが光っていた。ボランチの位置での余裕あるボールキープから、ミドルレンジのパスを正確に通して攻撃をスピードアップ。守備面でも相手の攻撃を中盤で潰す役割を果たしていたMFは、1ゴール1アシストと目に見える結果も残して勝利に貢献した。

 ゴールに絡んだシーンはいずれも正確なキックによるものだ。2-0の前半37分には左サイドでDF1人を難なくかわすと、ゴール方向へ鋭いスピンのかかったボールを蹴り込む。これがゴール前の混戦を抜けてそのままゴールイン。後半4分には右サイドからのFKをCB吉田剛(3年)の頭にピタリと通して4点目をアシストした。

「身体能力は高くないので、技術的な部分を磨いてきたつもりです。ボールタッチやコントロールは誰にも負けたくないと思って日々練習してきました」と金子。特に日々の練習の成果が出ていたのがロングキックだ。本人も進化を実感しているキックは、正確なサイドチェンジなどで桐蔭のパスワークのアクセントとなっている。

 中学卒業時に横浜FCジュニアユースからユースチームに昇格するのではなく、桐蔭学園進学を決断。長身の技巧派MFは「最近だとデ・ブライネとかの動画を試合前日などに見るんですけれども、最後のパスとかシュートが上手いから、自分もそういうプレーを魅せられればいい」という理想に近いプレーを表現する一方、最終学年の選手権は「気持ちが全てだと思っている」というように精神面からチームを引っ張っている。

 蓮見理志監督代行はその金子について、「彼は初戦の湘南戦も最後に決めてくれたり、日大戦もロスタイムに決めてくれた。いつも大事なところで仕事をしてくれる。自分が引っ張っていくという思いが出て、プレーが成長した」と目を細める。

 金子は支えてくれた人たちへ感謝の思いを決勝で表現する意気込みだ。「日大とか負けても凄く自分たちのことを讃えてくれて、『決勝行ってくれ』とか、『全国行ってくれ』と言ってくれて、そういう応援してくれている人たちのためにも頑張らないといけないとみんな感じています。本当にこの代は色々な人に支えられて、保護者だったり、先生方だったり、監督スタッフそうなんですけれども、他の神奈川県内でも桐蔭のことを気にかけてくれている人がいる。それを込めて全国に行きたいと思っています」。桐蔭サッカーの“心臓”がチームを勝利へ導き、仲間たちと優勝を喜ぶ。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
●【特設】高校選手権2017

TOP