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V逸鹿島、MF遠藤康は声詰まらせる「勝負強さが出せなかった」

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キャプテンマークを巻いた遠藤は報道陣の前で声を詰まらせた

[12.2 J1第34節 磐田0-0鹿島 ヤマハ]

 20冠目前の常勝軍団のV逸。まさかの光景に、1万4696人が詰めかけたヤマハスタジアムが一瞬、静まり返った。勝てば優勝という状況で残り2節を戦った鹿島アントラーズ。まさかの連続スコアレスドローで、川崎フロンターレに逆転初優勝を許した。

 試合終了のホイッスルが鳴ると、ほぼ全員が腰に手を当てて呆然。そしてDF昌子源は目頭を覆うようにして仰向けに倒れ込み、MF三竿健斗は人目をはばからず号泣。整列しなければいけなかったが、ペナルティーエリア内にしゃがみ込んでしまった。

 試合後のミックスゾーンは、多くの選手が険しい表情で素通り。MF小笠原満男やDF植田直通、そして三竿も報道陣の問いかけには答えず、足早にバスに引き上げていった。

 そんな中で、この試合のキャプテンマークを巻いたMF遠藤康は一番に出てきて報道陣に対応。ただ「勝てなかった、勝負強さが出せなかったのは悔しい」と話すと、声を詰まらせずにはいられなかった。

「誰が悪いとかではなく、チーム全体がそういう(勝負強い)雰囲気に持って行けなかった。この試合はキャプテンマークを付けさせてもらって、そこで出せなかったのが自分の力不足ですし、誰のせいとかなく、チームのせいだと思っている。悔しさを来年にぶつけたい」

「優勝のプレッシャーはもちろんありましたけど、プレッシャーの中で、いかに良いプレーができるか、みんなに勝利を届けられるかが仕事だと思っている。鹿島アントラーズにいたら、常に背負っているもの。勝ち続けないといけない使命の中で勝てなかったのは本当に悔しい。ジュビロの守備には手こずりましたけど、そこを崩せなかったのはうちの弱さであるので、そこは来年に向けてしっかりやっていきたいなと思います」

 優勝した川崎Fについては「おめでとうと言いたい。最後にああやって勝てるのはフロンターレの強さだった」と素直に祝福した遠藤。「切り替えて来年に向けてやるしかない」と自らに言い聞かせるように話して、会場を後にした。

(取材・文 児玉幸洋)
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