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谷口「最高の時間」奈良「実感ない」クラブ最少失点樹立の両CBは対照的な反応

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今季全試合フルタイム出場を果たしたDF谷口彰悟

[12.2 J1第34節 川崎F5-0大宮 等々力]

 攻撃サッカーを貫きながらも絶妙に保った攻守のバランスが奇跡の逆転Vにつながった。ラスト3試合は3試合連続の完封勝利で3連勝。川崎フロンターレはリーグトップの71得点(1試合平均2.08得点)を量産する一方、クラブ歴代最少の32失点(1試合平均0.94失点)と、失点数でもリーグ3番目の数字を残した。

 1試合平均1失点以下。DF奈良竜樹は「そういう目標で去年からやっていたし、ディフェンスは数字で表すのは難しいけど、一つの基準だと思っていた」と胸を張る。今季全34試合フルタイム出場を果たしたDF谷口彰悟も「うちは攻撃から始まるチーム」としたうえで、鬼木達監督が就任した今季の変化を語る。

「守備のところで監督が求めるものが高くなって、後ろもやりやすくなった。攻守のバランスが良くなったことが一番。(高い位置からのプレスで)寄せる強度であったり、距離であったり、前が(パスコースを)限定してくれる。みんながサボらずにやる規律ができた」

 前々節のG大阪戦、前節の浦和戦はいずれも1-0勝利。負ければ逆転優勝の望みが絶たれる崖っ縁の状況で守備陣が無失点で切り抜け、最少得点で勝ち切ってきた。「フロンターレは大事なところでいつも勝てないと言われてきたけど、リーグ戦は“落としたら終わり”という試合を1か月ぐらいやってきた。大事なところで一番勝ってきたのはフロンターレだと思っている」。そう主張する奈良は「そういう人たちを見返したいと思っていたし、結果でそれを示すことができてよかった」と力説した。

 初優勝に対するリアクションは対照的だった。谷口が「優勝ってこういう感じなんだなと。最高の時間だった」と歓喜の余韻に浸っていたのに対し、奈良は「まだ実感がない。僕もこういうのは初めてで、喜び爆発という感じにならない」と戸惑い気味。「いまだに信じられない。こういうものなんですかね。もっと爆発するものかと。絶対、泣くだろうなと思っていたのに」と苦笑いしていた。

(取材・文 西山紘平)

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