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首位攻防戦は4-4ドロー…青森山田がAT劇的弾、清水ユースは“勝てば優勝”の最終節へ

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ハイジャンプで劇的な同点ゴールを導いた青森山田高MF郷家友太(3年)

[12.3 高円宮杯プレミアリーグEAST第17節 清水ユース4-4青森山田高 アイスタ]

 高校年代最高峰の高円宮杯プレミアリーグEASTは3日、第17節を各地で行い、首位の清水エスパルスユースと勝ち点差1で追う3位の青森山田高が対戦した。立ち上がりに先制しながらも一時は2点差を付けられた青森山田だったが、後半アディショナルタイムの劇的なゴールで4-4の同点に追いつき、最終節のFC東京U-18戦での逆転優勝の可能性を残した。

「良いゲームといいますか、選手たちがよくファイトしてくれました」。決して理想どおりの展開でなかったのはたしかだが、青森山田の黒田剛監督は白熱した一戦をポジティブに振り返った。このドローにより、最終節に勝利すれば清水ユースが引き分け以下で優勝決定。来季からヴィッセル神戸への加入が決まっているMF郷家友太(3年)も「(優勝争いを)うまく最終節に持ち込めた」と口をそろえた。

 試合は前半1分、さっそくスコアが動いた。清水ユースのキックオフで始まったボールを奪った青森山田が、スローインの流れから右サイドを侵攻。MF田中凌汰(3年)のパスをMF佐々木友(3年)がファーサイドに折り返すと、全速力で走り込んだMF檀崎竜孔(2年)が左足ダイレクトで流し込んだ。

 その後も激しい攻守の切り替えで試合を圧倒した青森山田だったが、前半15分ごろから徐々に清水ユースがペースをつかんでいく。青森山田のファーストディフェンスをうまくかわせるようになり、サイドを広く使ってクロス攻勢を展開。「勝てば勝ち点で上回れるということで、守りに入ってしまった」(郷家)という青森山田を大きく押し込み始めた。

 すると前半26分、清水ユースが試合を振り出しに戻した。オーバーラップを見せたDF伊藤駿光(3年)が右サイドにロングボールを送ると、右SBのDF伊藤研太(3年)が頭で落とす。最後は右サイドハーフの位置からゴール前に走り込んだFW鈴木魁人(3年)が左足ダイレクトで蹴り込んだ。

 ますます攻勢を強める清水ユースは前半33分、敵陣でこぼれ球を拾った鈴木が斜めのスルーパスを送り、最終ライン裏に抜け出したFW齊藤聖七(2年)が左足で決めて逆転に成功。さらに立て続けのピンチをDF平岡卓磨(3年)らの奮闘で防いだ直後の同45分、伊藤のクロスに反応した齊藤の折り返しを鈴木が頭で押し込み、背番号10の2ゴール1アシストで前半を2点リードで終えた。

 青森山田にとっては、2点ビハインドで迎えたハーフタイム。このままでは優勝の可能性がなくなってしまう中、黒田監督の“喝”が入った。「2日前に静岡に入って、美味しい焼き肉を食べさせてもらった。ここまですごい距離を運転してきてもらった。そんなことをして頂いたのに負けるのは……」(郷家)。あらためて周囲への感謝の気持ちを確認した昨季の王者が、後半に入って「やっと火が付いた」(郷家)。

 立ち上がりから「前から行こう」(黒田監督)と意思統一をした青森山田は、前線の選手が清水ユースのボールホルダーに激しいプレスをかけ、最終ラインの選手は鋭い押し上げで相手の攻撃を寸断。そうして迎えた後半10分、大きな1点が入る。右サイドでボールを受けた郷家がクロスを上げ、ファーサイドでDF佐藤拓海(3年)が頭で落とすと、ゴール前で田中がダイビングヘッドで押し込んだ。

 青森山田は後半19分、佐々木に代えてMF浦川流樺(3年)を投入。一方の清水ユースは同24分、負傷で痛めた伊藤駿に代わってDF鳥居大人(3年)が入り、守備陣に手を加えた。さらに前へ出たい青森山田は同28分、疲れの見えた檀崎とMF堀脩大(3年)を下げ、ドリブラーのMF瀬尾純基(3年)とMF安藤駿(3年)を送り出した。

 すると後半34分、ついに青森山田が同点に追いつく。右サイドを突破した田中のクロスにゴール前で反応したのは、背番号10のエース郷家。「良いボールが来たので、当てすぎずに良いコースに飛んだ」というヘディングシュートが得点ランキングトップの今季9得点目となり、緑のイレブンが歓喜に沸いた。

 ところが、この悪い流れを盛り返したのが首位の清水ユース。DF三國ケネディエブス(2年)、MF住田将(3年)を入れて3バックにした青森山田に対し、リスクを負って攻めに出た。そして後半39分、投入されたばかりのFW望月勇伸(2年)が右サイドからクロスを送ると、ニアでMF新関成弥(3年)がヘッド。これがゴールネットを揺らし、終盤に貴重な勝ち越し点が入った。

 このまま試合が終わるかと思われたが、後半アディショナルタイムにさらなるドラマが待っていた。青森山田が左サイドでFKを獲得すると、途中出場の住田が鋭いボールをゴール前に配給。90分間走り抜いたとは思えないハイジャンプを見せた郷家がGK天野友心(2年)と競り合うと、ボールはどちらも触れずにゴールマウスに吸い込まれ、4-4という大量スコアで試合を終える形となった。

 勝利を収めれば2位と勝ち点差3、得失点で大幅に上回った状態でラスト1試合を迎えていたはずの清水ユースにとっては手痛いドロー。4点目を決めた新関は「4得点できたことは良かったが、甘くなったところがあった」と悔いも残した。それでも、10日の試合で柏レイソルU-18に勝利すれば優勝が決定するという優位な状況は変わらない。「自力優勝できる可能性が残っているのは僕らだけ」(新関)という心持ちで最終節に臨む。

(取材・文 竹内達也)
●2017プレミアリーグEAST

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