beacon

「まともに出たのは4年生から」、福島入団の早大FW武颯は怪我を乗り越えプロ入り果たす

このエントリーをはてなブックマークに追加

FW武颯は大学4年間を怪我に苦しめられた

 関東大学サッカー2部リーグの今季得点王は、J3でプロ生活をスタートさせる。福島ユナイテッドFCに入団する早稲田大FW武颯(4年=横浜FMユース)が12日、入団会見で意気込みを語った。

 武の大学サッカーは怪我との戦いだった。1年生のときは左足内側靭帯を断裂し、2年生と3年生のときには右足半月板を負傷と立て続けの離脱が続く。「大学はプレーした時間が短かったです。膝は4回怪我したし腰痛も」と度重なる故障に悩まされた。

「プロに行くために3年生から出場していないと厳しかったですけど、まともに出場したのは4年生になってから」と難しい状況ながら、開幕からコンディションが整った4年目で真価を発揮。開幕戦の日本大戦(2-0)で大学初ゴールを決めると、計15ゴールで2部得点王に輝いた。終盤では再び故障に泣いたが「この1年間の結果で得点王とかベストイレブンとか選んでいただいて、そういうところでプロに行けたかなと思います」と振り返った。

 サッカーをする上で誰にでもつきまとう怪我の恐怖。「1回目の負傷をしたときに2回目は絶対しないと誓いました。色々準備はしたけど、それでも自分の甘さであったり、準備不足が怪我につながる」と大学4年間で怖さを思い知った。「怪我をしない選手は当たり負けをしないように良い準備をしっかりしている。もちろん運もあるけど、怪我をしないようなトレーニングを重ねたい」と語った。

 古賀聡監督も当時の武の苦悩を語る。「3年間、怪我がないときがなかった。でも悔しさを滲ませながらも、シュート練習やアフタートレーニングをやり続けていたんです」と指揮官は選手の努力をしかと見届け、「悔しさを募らせて今年の前期11試合で12得点。昇格への不安もある中で武が得点を決め続けてくれたので、それがチームの起爆剤になりました」とその労をねぎらった。

 現状、怪我の状態は良好だ。「自分の持ち味は得点力とシュート精度。近い位置でも遠い位置でも、GKとの1対1でも、色んなパターンで得点を狙えます。(ストライカーとして)死角がないのが自分の特長。開幕でスタメンになって、J3で得点王を狙う。そしてJ2、J1へと這い上がりたい」。悔しさをバネに、短い期間で結果を残したストライカー・武颯。大学4年の前期で垣間見せたその爆発力は、J3の舞台で遺憾なく発揮されていく。

(取材・文 石川祐介)
●2018年Jリーグ移籍情報

TOP