[12.13 全日本大学選手権1回戦 東京国際大 2-0 北海道教育大岩見沢校 江戸川]

　チームは2-0でインカレ初勝利。自身は相手GKにPKを止められながらも、素早くこぼれ球をゴールへ蹴り込んで1得点を挙げた。また、左サイドでのボールキープや献身的な守備の部分含めて印象的なプレーを見せた一人だった印象だ。だが試合後、東京国際大の10番、MF安東輝(4年=浦和ユース)の表情は決して明るくなかった。

「(進路となる)チームが決まっていない状況。全国でやれるのはチャンスがまだあるので、誰が見ていてもちょっと違うな、何で(進路が)決まっていないんだと思わせるようなプレーをしなければいけない。まだまだと言っている暇はないんですけれども……」。

　下級生時から東京国際大の10番。大学入学後はくるぶしの骨折や浦和ユース時代から抱えてきた腰痛で1年半プレーできない時期なども乗り越えてきたMFは昨年、関東大学リーグ2部で11得点10アシストの“ダブル・ダブル”を達成してチームを2部優勝、1部昇格へ導いた。

　だが、1部でも10得点10アシストを目指した今季は8得点6アシスト。得点数はリーグ8位タイでアシスト数は2位タイという好成績だったが、インパクトある結果を残すことができなかったことを悔しがる。チームをリーグ優勝に導くこともできなかった。だからこそ、インカレに懸ける思いは強い。

「そういう悔しさを持ちながら、インカレで今まで信じて使い続けてくれた監督たちに恩返しではないですけれども返していきたい。恩返しできるように、4年間で成長した姿を見せられるようにしたいです」。

　この日は2点目、3点目を奪うチャンスがあった。また持ち味であるゴール前での質の高いプレーやコンビネーションで、ゴールやチャンスに結びつけるプレーももっとしなければいけなかった。「個人としては全く喜べないというか……」と唇を噛んだ一戦から切り替えて、2回戦へ。強豪・阪南大撃破にエースとして貢献して、多くの関係者たちにアピールする。

(取材・文　吉田太郎)

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●第66回全日本大学選手権(インカレ))特集