beacon

プレミア昇格挑戦5度目の磐田U-18、広島皆実を破って悲願成就へ王手

このエントリーをはてなブックマークに追加

3点目を決めたFW伊禮祐作が祝福を受ける

[12.15 高円宮杯プレミアリーグ参入戦1回戦 広島皆実高 1-4 磐田U-18 広島一球]

 高円宮杯U-18サッカーリーグ2017プレミアリーグ参入戦の1回戦が15日に行われ、ジュビロ磐田U-18(東海2、静岡)は4-1で広島皆実高(中国1、広島)を下した。参入戦は、全国9地域のプリンスリーグ上位チームが出場。4チームずつ4組に分かれてトーナメントを行い、来季のプレミアリーグ(EAST、WEST)への昇格権を争うもの。磐田U-18は、17日に行われる決勝戦で前橋育英高(関東1位)に勝てば、来季のプレミアリーグ参入が決まる。

 磐田U-18は、立ち上がりから試合のペースを握り続けた。前半9分、広島皆実がGKからショートパスをつなごうとした場面で前線からプレッシャーをかけ、相手のミスを誘って左CKを獲得。右MF鈴木海仁が蹴ったボールを2年生CB平松航が反らし、ボランチの鳥羽隼(3年)が押し込んで先制点を挙げた。

 さらに磐田U-18は、平松が最終ラインからロングフィードをサイドに散らし、左DF加藤隼登が積極的な攻撃参加を見せて攻勢を続けた。前半31分には右CKをCB速水修平が頭で合わせてポストを叩くシーンを作る。すると直後にハイプレスでボールを奪い、FW新里勇人のクロスがそのままゴールへ飛び込んで追加点となった。

 前半の2得点は、大きな意味を持った。広島皆実は、主将を務めるボランチの大石謙介が「2点目でしょぼい失点をしてしまってリズムが崩れた。いつもやっているプレーができない状況に追い込まれた。ブロックからプレッシャーに出ていく形の守備ができなくなった」と話したとおり、ブロックを築いて待ち受ける守備が機能しなくなって苦しくなった。ただ、前に出てやや強引に仕掛ける場面が増え、攻撃面は改善された。左DF西原広太が積極的にポジションを押し上げ、中盤から得意の左足で反撃のパスを狙うプレーを見せた点は、効果的だった。しかし、後半15分に左からのクロスに途中出場のFW久保太輔が飛び込むチャンスはあったが決められず、逆に3点目を失った。

 磐田U-18は、後半17分に左サイドを攻め上がり、鳥羽のクロスを途中出場のMF中村竜がヘディング。こぼれ球を拾ったFW伊禮祐作がミドルシュートを決めた。後半32分には、広島皆実に左からのクロスでオウンゴールを許して1点を返されたが、試合終了間際にFW三木直士のダイビングヘッドで4点目を奪うなど、磐田U-18は攻め手を休めずに試合を押し切った。

 敗れた広島皆実は、全国高校選手権を前に教訓を得る格好となり、仲元洋平監督は「とにかくエンジンがかかるのが遅すぎたという一言に尽きる。相手は、代表の子がいなかったけど、一つになっていた。こっちがそれをやらなければいけないのに。どうにかして、2週間で立て直したいと思います」と肩を落とした。

 広島皆実主将の大石は「後半の攻撃を最初から出来れば良かった。これが選手権じゃなくて良かったということが唯一の救い。この負けを良い方向に持って行けるように捉えて、全員でハードワークをしたい」と出直しを誓っていた。

 一方、勝った磐田は、悲願成就へ一歩前進。プレミア昇格への挑戦は、今回で5度目。新里は「2年前に(4度目の挑戦が実らずに)負けたとき、スタンドから見ていた。出られなくて悔しかったし、自分の代では絶対に勝とうと思ってやって来た。クラブにとって初めての参入を勝ち取りたい」と、満足することなく最後の関門突破を誓った。

(取材・文 平野貴也)
●高円宮杯U-18サッカーリーグ2017 プレミアリーグ

TOP